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アスペルガーと定型を共に生きる

  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

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2017年12月31日 (日)

人生観のすり合わせ

 ここではみなさんのコメントなどをいただきながら、アスペ的なものの見方や感じ方を想像し続け、定型とのズレを探ってきました。

 今のところは世の中に多い見方は

「 アスペ = 定型 - 障がい部分の能力 」 …… ①

というものですが、ここではそうではなくて

「 アスペ = 人間 + アスペ的特性 」 …… ②
「 定型 = 人間 + 定型的特性 」 …… ③

と考え、

「 障がい = アスペ的特性と定型的特性のズレ」 …… ④

という風に障がいを理解してみよう、という試みをやってきているわけです。

 なぜそういうことをやろうとしているかと言えば、①の見方から考えると、定型アスペ問題は「どうやってアスペが定型に近づけるか」という話になってしまいます。目標は定型であって、アスペは目標に到達するのが困難な人たち、という発想です。

 でも、なんでかわかんないけど、こういう発想は私はしっくりこないんですね。そこに含まれる「私(定型)は絶対に正しい」みたいな感じになじめないし。もちろん私自身にとっては私の見方や感じ方は「正しい」と思っているんだけど、それがほかの人にも正しいとはとても思えない……という、なんかそういう感覚がどっかにあって、そこにひっかかるのかもしれません。

 で、私がさぐっているのは、「お互い様だよね」という話です。私から見れば「あんた(相手)、変!」だし、相手から見れば「あんた(私)、変!」。だから別にどっちが優れているということもないし(もちろんある一部分での得意不得意はそれぞれにあるにしても)、どっちも変なんだから、「お互い変な者どうし、なんとか折り合いをつけていきましょう」という話になる。

 まあ、自分が正しいと思い込んでる方にはなかなか通用しない話ではあります。いや、もちろん自分にとっては自分は正しいということは自己肯定感としてはあって当然なんだけど、それって人に押し付けられるものなの?という話ですけど。

 

 で、ぼちぼちそのずれの部分について見えてくるところがあって、そこで見えてくるアスペの方の感じ方とかはあくまで私の定型的な想像力を使っての話にすぎないんだけど、それでもある程度はアスペの方から共感的に受け止めてもらえる部分もあったり、最近は時々私の方が「アスペ認定」をいただくことがあったり、というふうにはなってきたわけです。私自身は依然として「アスペ=謎」という感覚が一番強烈なんですけどね。でも、たしかに「わかる」感じも少しずつは出てきていますし、定型の中ではすこしだけその部分が多い部類に入るのでしょう。

 そのことがベースになってだと思うんですが、最近はたんにズレを考えるだけではなく、「アスペ的生き方」と「定型的生き方」について考えることが増えてきました。

 たとえば男と女は体のつくりがもともと違います。もちろん個人差もあるけど、でも骨の形とか、筋肉の付き方とか、結構違う部分があるし、ホルモンの出方も違うし、そんなこんなで身のこなしがやっぱり変わってきます。男に得意(不得意)な動き方も、女に得意(不得意)な動き方もある。たしか野球のオーバーハンドの投げ方とか、あれは肩の関節の形が男女で違うので、男は得意で女は不得意になるから、女性はアンダースローのソフトボールの方が向いてるとか、そんなこともあったような。

 ということで、そういう持って生まれた体のつくりの違いで、その身のこなし方が変わってくる。それだけじゃなくて、たとえば「言葉が早く身につく」という点ではたぶん女の子の方が一般的には早いんですよね。で、おままごととか、話をしながら進める遊びは女の子の方が得意だし好きな子が多いでしょう。男の子はもっとメカニックなものに魅力を感じる子が多い。

 そんなこんなで、生まれてその後に興味関心を持って作り上げていく世界がまた違ってくる。喧嘩のしかたや仲直りの仕方もそれぞれの特徴がありそう。

 つまり持って生まれたものが違うと、その後の「生き方」が変わってくるわけです。当然、違う特性を持つ定型とアスペも、その特性に基づいた生き方をそれぞれ作り上げて生きているはずです。

 だから、定型アスペのずれというのは、単に感じ方や考え方のズレなのではなくて、なにを大事に何を目指して生きるか、何に価値を感じるか、といった、「人生観」のずれのようなものにも及んでいるんだと思うわけです。

 男の人生観を女に強制することも、女の人生観を男に強制することも意味がないように(もちろん人によっては男(女)の人生観を男(女)に強制することに無理が出てくるタイプの方もありますが)、違う条件を持って生まれ育った定型とアスペの間で、相手に自分の人生観を押し付けることにも無理が出てくる。

 これもたとえて言えば、日本の生活になじみのないアメリカ人に、たくあんの匂いをかがせることはできても、その匂いを「素晴らしいと感じなさい」と強制することはもともと不可能だし、その匂いを嗅いで「おなかがへってきた」ということがないからと言ってそれを「おかしい」と非難することもできない。もちろん「あなたの食生活の中の大事な一部としてたくあんを組み込みなさい」なんていう話は不当な押しつけ以外の何物でもない。なにしろあの匂い、慣れない人には排せつ物の臭いに感じられたりするんですよね。

 こういうたとえ話ならわかりやすいでしょうけれど、でも定型アスペ間では実際はそういうことがたくさん行われていると思うわけです。私も気づかずにそういうことをずっとやってきていて、ずれに気づいて初めてその部分では自分が相手にとっては不当なことをやってきたことに後から気づく程度です。

 

 定型もアスペも、そして細かく見ていけば定型アスペに関係なく、ひとりひとりがそうなのだと思いますが、それぞれ持って生まれた特性をベースに、与えられた環境の中で、いろいろ試行錯誤しながら自分の生き方を作り上げてきている。そうやってそれぞれの人生観も作り上げてくる。そのお互いの人生観をすり合わせる作業も、定型アスペ問題にとっては大事になってくるのだろうと、そんなことを思います。

 ことしもあと半日余りになりましたが、来年はぼちぼちその続きをすることになるのでしょう。また皆さんからもこれまで通りにいろいろな経験や知恵を教えていただけるとありがたく思います。

 ではどうぞよいお年をお迎えください。

 

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コメント

>パンダさん

今年もお世話になりました。m(_ _)m

たくあんの例え、すごくわかりやすかったです!
そうなんですよね。『これはこういうもの』というのが、分かるのと、『これを好きだ、嫌いだ』という感覚がわかることは違うし、それを強制することは出来ない。

特にアスペと定型の間には、この感じ方の違いが大きく横たわっているんじゃないかと。

同じ発達障害であっても、シンプルなADHDやLDの人は、感じ方そのものが定型的なので、感想などは同じようになりやすいけど、自閉の人の感じ方は、本当に違うんだなと思います。

ADHDもあるASDの娘などは、やらかすことは私によく似ていて失敗のメカニズムがよく分かるんですが、私がアドバイスしても、娘の感覚が違うので、役に立たないことが多いです。
兄のいうことの方がしっくりくるので、使えるようですが、兄にはADHDが無いので、妹が何でそんな行動を取るのかわからないらしく……。

たくあんはこういうものだと、みんな知っているんだけど、私は好きだけど切り方を知らない。息子は嫌いだけど切り方を知っている。娘は嫌いだし、切り方を知らない。
何とか切り方を調べて教えようとしている私に、娘がイラついているのを見て、『別に嫌いなら切り方知る必要ないんじゃね?』と息子が言う……

そんな感じですかね?(笑)

今年も最後まで、長々とまとまりのない書き込みをしてしまいました。
来年こそは、少し口数を減らしたいと思っている私です。(笑笑)

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年もお世話になりました、なんやかんやで楽しかったです!
来年もよろしくお願いします!

あすなろさんのたくあんでのイメージの広げ方がまた面白くて、年末最後に笑わせてもらいました^_^
クールな長男さんの「必要ないんじゃね?」最高!でもそこまでちゃんと発想できてるあすなろさんはさすがです!

ぱんださん、今年もお疲れ様でした。
このように楽しい場をいつもメンテナンスしてくださってありがとうございます。
現実では「お店の常連さん」に憧れながら、絶対なれない私ですが、ここではそんな気分をちょっと味わせてもらってます^_^

良いお年をお迎えください!

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