2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

掲示板最近の話題

フォト

アスペルガーと定型を共に生きる

  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

« お化粧問題パート2 | トップページ | 歩く »

2016年2月14日 (日)

潤い

 このブログがきっかけになって生まれた本「アスペルガーと定型を共に生きる」の2刷りが出ることになりました。もともと印刷部数も少ない本で,ほんとに少しずつですが,でも地道に息長く読まれてきました。出版社さんも今後もそんな感じで読まれていくと考えてのことです。

 読者の書評で,定型アスペ夫婦の葛藤をまじかに見てきた娘のはるなさんのあとがきに言及されているものがいくつかあります。


「アスペルガーに関して、本を出すことになるかも。」電話で母にそう伝えられた時、私の頭の中では様々な思いがめぐりました。数年間ずっとお互いを傷つけあっているようにしか見えなかった二人の様子、父がアスペルガーかもしれないと聞いた時の衝撃、上手くいき始めたらしい現在の状況・・・。母や父を責めるつもりは全くありません。しかし、今になって振り返ってみると(自分で言うのは少しおかしいかもしれませんが)、やはり子供から大人へと成長していく思春期の時期に両親の喧嘩が耐えなかったこと、母がいない環境を味わったことは、私の人格のベースとして深いところに残っていると思います。」

 こんな書き出しではじまるそのあとがきです。終わりの方にはこんなことも書かれています。

この本が「アスペルガー」と「アスペルガーでない人」が共にどう生きるか、というよりも、「二人の違う個性をもった人間がどう生きるか」ということを扱ったものとして、多くの人に読まれることを望んでいます。」


 ここには引用しませんが,その中の彼女の言葉を読んで,涙が止まらなかったという方もありました。思春期につらく苦しい思いを体験することになった定型アスペ夫婦の子どもたち,はるなさんもそうですし,私の家も同じです。そんなつらい体験を私も子どもにさせてしまったことに,本当に言葉もないのですが,それでも生き抜いてくれたことにただ感謝の思いです。そしてその苦しみの中で,それでも自分の道を切り開いていってくれたことに尊敬の思いです。なんだか情けなくも親子の立場が逆転していますが……

 なんの傷も抱えずに生きていられる方があるのかどうか,本当のことは私にはわかりません。でも,多かれ少なかれ,だれもが傷を抱えて生きているんでしょうね,きっと。そして定型アスペ関係はその傷がほんとに深刻に深まっていきやすい。定型は知らず知らずに自分の常識でアスペの方を苦しめ,時に深く傷つけ,アスペの方は深く傷つきながら,これもまた知らず知らずに定型を傷つける。

 そんな傷つけあいの連鎖は,何も定型アスペ関係にはとどまりません。周りを見ても,世界を見ても,テレビを見ても,そんな連鎖ばかりが目につきます。そして自分もそういう連鎖からどうにも自由になれない。

 年末に「サンタの世界」でも書きましたけれど,そうだからこそ,私は夢を求めるのでしょう。でも現実から目をそらした夢ではなく,現実を見つめてその現実の先を見透かす形で描く夢であってほしいです。

 苦しみを知っているから,悲しみを知っているからこそやさしくなれる。やさしさにはそういうものもあると思います。はるなさんのあとがきは,そんなやさしさが言葉になっているのかもしれません。引き続き新たに本を手にした方が,はるなさんのあとがきに触れて,傷ついた心に少しの潤いを感じてくださればいいなと思います。

 

 

« お化粧問題パート2 | トップページ | 歩く »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1449293/63951681

この記事へのトラックバック一覧です: 潤い:

« お化粧問題パート2 | トップページ | 歩く »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ