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2015年5月11日 (月)

感情を押さえつける

 定型アスぺ問題が厄介な理由のかなり大きな部分は,お互いに自分の素直な感覚で対応するとまず間違いなくと言っていいほどにトラブる,ということです。

 で,私もパートナーとの関係を考え直そうとすると,どうしても自分の「素直な感じ方」を否定したり,押さえつけたりしないといけなくなるんですね。たとえば「すごく怒って私を責めている」ように感じられる彼女の話し方を,「いやそうではなくて,戸惑って困っていて,場合によっては自分を責めているんだ」と考え直してみるとか。

 でも素朴な感覚としてはやっぱり「責められた」というのが第一印象に来てしまって,傷ついちゃうわけですから,そのあと「いやそうじゃないんだ」と「頭で考える」ことは,その傷ついた自分の感情を抑え込まざるを得ないことになる。

 で,そんなふうに傷つくことを避けようとすると,可能な道は「一切感情的な関わり方をしないようにする」ということでしょう。もうとにかく事務的に対処する。ちょっとかっこつければ「冷静に」「客観的な態度で」「理性的に」対処する。悪く言えば「冷たく」対応する。

 ということをまた考えていて,ふと気づいたんですね。「あれ?これってアスぺの人の世渡りの仕方じゃない?」と。

 定型は多数派ですから,自分の感覚で動いても受け入れられることが多い。だから自分の感情をそんなには否定しなくてもすむ場合が多い。むしろ感情を適切に用いることで人間関係が深まり,うまく世渡りができる。「冷静に」「客観的な態度で」「理性的に」「冷たく」という姿勢も取れないことはないけれど,そうでない部分もたっぷり使える。

 仕事とか,そういう場面では感情むき出しはもちろんアウトで,「冷静に」「客観的な態度で」「理性的に」「冷たく」対処することは「大人」の資質として求められたりもするけれど,そこで満たされない思いは「裏」で愚痴をいいあったり,お酒を飲んで騒いで発散したり,いろんな逃げ道を作って他の人と共有しているし,そういうところで多くの人と意気投合すると,今度は「表」の世界もそれによって変わったりもする。そんな形で「冷静な」大人の世界と,感情的な世界のバランスをとる仕組みも作っているわけです。

 ところが少数派のアスぺの方はそういう形で自分の素直な感覚を発揮できる場が極めて少ない。自分の感覚に共感してもらえることも非常に少なく,常に孤立する危険を感じざるを得ない中で生きている。

 そうすると,「冷静に」「客観的な態度で」「理性的に」振る舞うことがものすごく重要になってきて,そうしなければならない場面の多さは到底定型の比ではないわけです。そして人との関係で自分の感情が共有されたり,理解されたり,そのことで何かが解決されることは少なく,むしろ拒否されたり否定されたり排除されたりということが積み重なるわけですから,「自分の感情には意味がない」とか「感情は訳の分らないものだ」とか「共感などあり得ない」とか果ては「感情というものがわからない」とか,そんな思いになったとしても不思議はありません。

 カップル間で定型アスぺ問題に定型の側から歩み寄ろうとすると,どうしても「素直な感情を(少なくとも一旦は)押さえつける」という,非常に厳しいステップを通らざるを得ないのかもしれませんが,実はそれはアスぺの方にとっては日常生活の中でずっとやらされ続けてきたことなのかもしれないと,そんなことを思ったのでした。



    

 
 
 



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