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アスペルガーと定型を共に生きる

  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

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2015年3月30日 (月)

なかなか身につかない話

 なんだか中々成長しないなあと思った出来事についてです。

 ある保険屋さんと契約内容についての事務的な手続きを私がして,その際,保険屋さんはさらに追加の契約について勧めてきました。で,パートナーにあとでその話をしたときのことです。なんだかすごく怒っているような口調で,一体何を勧めてきたのか問い詰めるように私に聞いてきました。

 別に私が彼女に相談せずに勝手に何かを進めたわけでもなく,単に一つの情報として,そういうことも伝えて相談しようというだけのことだったのですが,なんだか話をしたこと自体を頭から非難されているような気分になって,すごくしんどくなったんですね。なんなんだろう?とまた思いました。

 それからしばらくして,彼女の方からその手の保険勧誘について,かなり強引なやり口で老人を勧誘したりする事例に接して,彼女が強い不信感を持っていることを話してくれました。

 それでようやくわかったんですね。あの私に対する非難口調は,実は私に対するものではなくて,その保険屋さんに対するものだったのです。で,その保険屋さんに対する憤りの思いが,私と話をしていてそのまま出てきて,そして結果として私にそのまま向けられた形になってしまったことになります。

 たぶん彼女としては私を非難するつもりは全くないのでしょう。ただ,定型的には「この怒りは保険屋さんに向けられているもので,今はなしている相手は仲間なのだから,その怒りを「聞いてもらって同意を得る」とか「共感を求める」ことが大事で,その人に直接ぶつけたり,そう誤解されることはしない」というスタンスで話すのが自然なところ,そういうクッションというか,区別がないということになります。

 要するにAさんに対する怒りをBさんに話している時,Aさんへの感情がそのままの形でBさんに表現されてしまうだけだということなわけで,だからもし彼女に「理不尽に」責められて私が腹を立てて「反撃」したとすれば,彼女は訳が分らなくなって,「なんで私を責めるの?」というショックの受け方をすると思います。

 そのことに気づいて,自分が責められたわけじゃないということで,まあちょっと気分的には楽になりました。

 で,そのとき,「ああ,このパターンって前もあって,その時にも同じことに気づいたんだったなあ」と思ったんです。

 前にそのことに気づいてたときにもたしか記事にしたように思うんですが,それにも拘わらず,今回「非難された」時に,そのことがすぐには思い出せずに,またしんどくなっていました。違いは,気づくのにかかる時間が今回は前よりだいぶ短かったということでしょうか。ただそれも彼女が気づかせてくれる話をしたからで,それまではその可能性をすぐには思いつかなかったわけです。

 こういうの,なかなか身につかないものだなあとちょっと情けなくも思いました。

 

 
 
 



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コメント

こちらで色々な事を勉強させていただき、いつも心から感謝しております。

今回の記事も「なるほどな~」とアスペ側の感覚で考えさせられました。
上記のようなケースはまさに私の「あるあるネタ」なのですが・・・
それが定型側にとって「しんどく」なるという事を今知りました。
というのも、これまで周りから指摘される事があまりなく(私がそうさせてしまってたかも)
定型側の感じ方を知る機会がなかったからだと思います。
過去を振り返ると「そういう言い方は良くない」と具体的な指摘はなかったものの、
上記のようなやり取りの場合、「もっと声を落として」とか「そう興奮しないで」とかは
言われたような記憶があります。でもそういう時は既に自分が怒っている(興奮している)状態なので、「声を落として」とか相手の要望は受け入れきれず、逆に怒りの矛先が相手に向かってしまった時もあったような気がします。いま冷静に考えると、申し訳なかったと思います。

私は未診断ですが、こちらで色々勉強しているうちに、今回のような「気づき」があったり
自分の行動を客観的に見れるようになってきているような気がします。
いずれ、家族や友人や恋人と気軽に「定型アスペ問題」を語れるようになるのが夢です。
お互いの「違い」が解かれば徐々に歩み寄れるし、無駄に傷つけ合わなくて済みます。
個人的には「アスペ」は個性だと捉えているものの…
やはり自分の中にまだ偏見があるのか…
現状は、どう「アスペ」の話題に触れたら良いかわからずにおります。

>こういうの,なかなか身につかないものだなあとちょっと情けなくも思いました。

なかなか身につかなくとも(笑)それはお互い様で、
違いに気づき、互いにそれを語り合えるという状態は
とても素晴らしく、微笑ましく、羨ましいかぎりです(*´∀`*)
その段階まで行けるよう、また少しずつ勉強していこうと思います。
これからもよろしくお願いいたします。


コアラさん

 はじめまして(ですよね?) よろしくお願いします。

>今回の記事も「なるほどな~」とアスペ側の感覚で考えさせられました。
上記のようなケースはまさに私の「あるあるネタ」なのですが・・・

 そんなふうに感じていただけたということで
 すごく嬉しいです。

 定型の側からも,想像力の働かせ方によっては
 ある程度はアスぺの方の世界に近づけるということかなと。
 もちろんズレがなくなることはないでしょうけれど,
 お互いに納得感を持てる意味のあるやりとりができる場合があるのは
 ほんとうに心強いことです。

 これからもまたそんな感覚が得られた時や
 逆にずれてるなあと感じられた時など,
 ときどきでも教えていただけると,学べることが増えますし,
 励みにもなりますので,よろしくお願いします。

相手の気分や意図が分からず落ち込んだり傷付いたり、それが杞憂だったり、すれ違いは本当に辛いですね。分かってはいても、気が緩んだりするとつい自分の世界の「普通」の感覚で接してしまいます。私は、常に「相手がしんどくないか?」を一番に考えているのですが、それでも不十分のようです。確かに、明らかに自分に関係ないことで矛先が自分に向けられる(と感じる)ことがあります。常に不安を抱えているので、そんなときでも「自分が何か悪いことをしたのか?」と落ち込んでしまいます。

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