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アスペルガーと定型を共に生きる

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2015年3月 4日 (水)

アスぺも定型も似たようなもの

 

AS-Pさんの問題提起を拝見していてもまた感じたのですが,最近「アスぺの特徴」と言われていることについて,「ある状況に置かれれば,定型も結構似たようなことになるんじゃないかな」,と思えることがぼちぼち増えてきています。

 記事「頭で考える 気持ちで動く 」で書いたこともその一つの例になるかと思いますが,AS-Pさんの例で説明すると,それはこんなことです。

 私が理解できた範囲でのことですが,AS-Pさんが問いかけられたのは,定型は長い時間の中での安定を求め,それが崩されることに強い不安を感じるのに対して,アスぺの方は短い時間の中で安定を求め,それが崩されるとパニックになる。つまり変化することが不安を引き起こしている点では同じと考えられないか。ということでした。

 これは,ああ,そんな風にも見れるんだなあと私にはとても刺激的でしたが,もしそういうことがある程度言えるのなら,じゃあなんでそういう違いが生まれるんだろう?ということに興味が行きました。

 アスぺをある種の理解力の障がいとして見れば,たとえば「それは定型が長い時間的見通しを持てる知的な能力を持っているのに対して,アスぺは短い時間でしかものを見られない知的な能力で,見通しの能力が足りないことの問題なのだ」という解釈もされるかもしれません。

 ただ,それはちょっと違うんじゃないかな,と私は感じるのです。

 時間的な見通しがどれだけの長さで持てるか,というのは,「周囲の状況をどれだけうまく理解できるか」ということに関わっていますよね。たとえば昔のように終身雇用が多かった時代なら,人生設計についても結構長い時間で考えることができて,それで安定することもできた。ところが今のような時代になると,「大企業」だってどんどんつぶれたり傾いたりするわけですし,自分の明日がどうなるかが見通せない,すごく不安定な状況に置かれる人が多くなる。

 そうすると,何か長期的に見てどうこう,ということを考えるのはむつかしくて,場合によってはほんとに今日明日のことをシビアに考えなければいけない状況に置かれる。今自分がやっていることが,明日も通用するかどうかが分らないし,今うまくいったことが明日うまくいかなくなれば,それはもうその先がないかもしれないわけです。

 もしそんな状況に置かれたら,「長期的な見通しについて不安を感じる」という余裕さえなくなるのではないでしょうか。とにかく「今をやり過ごせるか」が問題で,それがうまくいくか行かないかで不安が起こる。

 アスぺの方は,定型優位の社会の中で,いつもそういう立場に置かれ続けていると考えることはできないでしょうか。定型のやり方はとても分かりにくく,目で観察して頭で理解して,なんとかそのパターンを見つけて対応しようと努力する。けれどもその理解の仕方は定型の理解の仕方とやはりちょっと違うので,いくら頭でパターンを見つけても,細かい調整はむつかしいし,それこそ「型にはまった」応答になりがちで,応用が利きにくく,その結果かえって定型から「心がこもっていない」などと非難されたりする。

 定型はそこは世の中が定型基準で作られていますから,自分の自然な気持ちの動き方で柔軟に調整しながら進めることが多いわけで,そのあたりはこだわらずにその先の長期的なことを考えることができるけれど,アスぺの方にとっては目の前のひとつひとつがうまくいくのかどうか,その見通しが利かず,そこに神経を集中するしかなくて,とてもではないけれどその先を考えられる余裕がなくなる。

 たとえてみれば定型は終身雇用が保障された状態で働いていて,アスペの方は日雇いで働かなければならない厳しい状況にある,というようなものと考えられそうに思うのです。

 もしそんな理解が可能なら,アスぺの方の「目先の対応(場当たり的な理屈で応答されることがある,前に言っていたことと一貫しないことがある,など)」として非難されることは,アスぺの方の理解力とか,論理的な力とか,長期的に見る力といった「能力」や,あるいは「誠実さの有無」の問題なのではなくて,定型社会がアスぺの方にとってはすごく見えにくいしくみでできている,というところに問題があることになります。で,仮に定型が同じように先が見えにくい世の中で生きざるを得なければ,かなりアスぺの方と似たような生き方を選ばざるを得なくなる,とも言えそうに思えるのです。

その意味でアスぺの方の特徴的な生き方は,実はある状況に置かれれば,定型もかなり近いことをするような,そういう意味で定型にも「理解可能」な部分を多く持った生き方なのではないか。そんなことを最近感じています。




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コメント

 こんばんは。

 パンダさんの視点が、私には逆に新鮮でした。たしかに、こう考えるといろいろと応用がききますね。
 ただ、パンダさんの話と少し違うニュアンスで、私は日雇いと終身雇用というよりも、「サラリーマンとプロ野球選手のような違い」といったイメージを思い浮かべました。
 私もプロ野球選手ではないので(苦笑)詳しくは分かりませんが、とにかく好きな野球に打ち込んで、その道を極め、一定の成功を収めていれば、苦労せずに「生きにくさ」も感じない。むしろ定型よりも生き生きと社会で活躍し、財をなすASも確実にいると思います。ただ一方で、最近「プロ野球選手のセカンドキャリア」というのが話題になるように、必ずしも成功するとは限らないなかで、それまで打ち込んできた野球をするチャンスを失うと、途端に不安定な状況に追い込まれることもある。そんなイメージです。

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