定型アスぺ問題の幅の広さ
>ちょっと気になったのは、パンダさんがアスペの方が弱者におかれることが多いと思われていることですが、私はKatzさんの意見のほうに納得できます。
あすなろさんやKatzさんからこういう問題を指摘されて,ほんとに私も自分の経験の範囲でしかものを考えられないなあとつくづく感じました。
私のパートナーの場合,子ども時代にひたすらいじめの対象だった後,学生時代ぐらいまでは「変わった人」で済んでいたのかもしれませんが,社会に出てからはやはり苦労の連続だったと思います。ゆとりを持って活躍する,という状態はちょっと想像できませんでした。
というわけで,たとえばにわとりさんとか,ゆかさんなどが書かれるとても厳しい状況の方のイメージが私には強かったんですね。で,自然とそのイメージをベースにアスぺの方のことを考えたり,書いたりしがちになります。
でも,比率の問題はさておくとしても,たしかにものすごい能力をお持ちの方の場合は,対人関係のハンディを補って余りある活躍をされるのでしょうし,そこである種の余裕もできるのかもしれません。
そこまでの余裕はなくても,十分に仕事をこなされて,自尊心を傷つけられることもあまりなく,むしろ自信を持って生きていらっしゃる方もあるでしょう。ただ,家庭の親密な関係では問題が起こりやすいかもしれないとしても。
もしかするとカサンドラで苦しまれる女性の方に,そういうパターンが多いのかもしれないとふと思いました。夫の方は社会的にはそれなりに活躍されていて,ご自分では特に問題を感じられておらず,定型の側の奥さんから問題を提起されても共有されることが困難で,逆に問題提起を責められることになったりもする。
奥さんの側が仕事をされていれば,まだそこでの救いがあるかもしれませんが,専業主婦だったりすると,相当きつい状態になる可能性もあるように思えます。パートナーの方が社会的にも困難を抱えられていれば,「奥さんも大変ね」と周囲から同情されるかもしれませんが,それなりに活躍されていれば,「一体なにが不満なの?」という話にもなりやすそうです。
夫婦で問題が共有されないことの辛さと,さらに周囲にも全く理解してもらえない状況に置かれて,まさにカサンドラ。そういうケースも少なくないのかもしれませんね。
定型アスぺ問題,ほんとにいろんなケースを視野に入れながら考えていかないと,そもそも「定型アスぺ問題ってなんなの?」というところから,ずっこけてしまうことにもなりそうです。
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コメント
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> 自分の経験の範囲でしかものを考えられないなあとつくづく感じました。
それはそうだと思います。
私もそうですし、脳科学等々で解説してくれる知識を総合すると、
どうやら人間というものはそういう風に出来ているらしいですね。
だから、色々な方向からモノを見る事が必要なのだと思っています。
他者との共感だけではなくて、
世界を正確に認識して、先の展開を読み、感情を安定させる為に、
私はなるべく、色眼鏡で見ない事を注意するようにしています。
難しいんですよね…
未だにその境地には立てません。
投稿: Katz | 2015年2月 3日 (火) 08時06分
Katzさん
コメントありがとうございます。
定型的に言うと「共感的な」ということになりそうですが (笑)
もしよろしければ教えていただきたいことがあります。
Katzさんがこのブログ(あるいは掲示板)に興味を持たれて,
そこにコメントで参加されるようになられたきっかけとか理由とか
どんなことだったでしょうか。
また,Katzさんにとってこのブログ(あるいは掲示板)が
お役に立つ部分があるとすれば,それはどんなところと思われますか?
今実現していないことでも「こういうことが望ましい」ということでも結構です。
「色々な方向からモノを見ることが必要」というのは
私もつくづく感じさせられ続けています。
この場もそんなことができる場の一つであってほしいと思っています。
そのためにも,もしよろしければお教え下さい。
投稿: パンダ | 2015年2月 3日 (火) 12時13分
パンダさんが、奥様のことと照らし合わせておっしゃったのだなということはわかります。それに弱者だからという見方自体を考え直さなければという意見にも同感です。
パンダさんがご自分の見方を率直に書いてくださり、それについてさまざまな人の経験からまた意見が集まる。そこから考えを膨らませることができる。ここはとても好ましい場だと私は思います。
私がもうちょっと遠慮しろよ!という話かもしれませんが(笑)
弱者といっては何ですが、私自身がこれまでかなり弱い立場に立つことが多く、やっとそれがADHDの特徴によるものだったと分かってきたところで、弱者になるのはアスペに限ったことではないし、逆に精神的にタフな人は、発達障害によって受けてきた不条理を相手への攻撃という形で出す場合もあるかと思うのです。
私もかなりいろんな人にいろんなことを言われてきましたが、慣れてくると、「あすなろだから」と多めに見てくれる人と、「不快な行動は不快!その行動をするあすなろも不快!」と全てを否定する人もいました。
この全てを否定する人というのが、アスペ的な傾向を持っている人が多かったという印象なのです。
アスペ同士でもこの力関係は存在すると思います。
発達障害と定型発達の間に認識の誤差が大きいと、この力関係が極端になりやすいという見方を私は持っています。
多分極端な強者の中にも、弱者と同じ傷を負った、あるいはそれ以上の経験をされた方もいるのではと考えます。
こういう極端な関係に陥ること自体が問題であって、それを解決する糸口が、相手の理解と、自己防衛なのでは?
アスペ定型間では、自然に相手の理解ができない分、お互いの傾向を知識として知り、直接話し合い、時間をかけて自分の認識の中に落とし込んでいく、そんな地道な努力が必要なのでは?と考えています。
投稿: あすなろ | 2015年2月 4日 (水) 11時06分
あすなろさん
>パンダさんがご自分の見方を率直に書いてくださり、それについてさまざまな人の経験からまた意見が集まる。そこから考えを膨らませることができる。
いつも嬉しい評価をありがとうございます。もしそんなふうに感じていただけるのなら,自分のあさはかな理解とか,恥をさらすのも意味があるように感じられてほっとします (^ ^;)ゞ
>こういう極端な関係に陥ること自体が問題であって、それを解決する糸口が、相手の理解と、自己防衛なのでは?
なんかここのところ,すごく大きなポイントのように私も感じています。お互いにズレがあるのは,これは定型間でも当然起こることですし,ズレがあるから悲劇的な展開になる,という話ではないと思うんですね。問題はそのズレが悲劇を生んでしまう仕組みを知ることではないかと。で,大事なのはそちらに行かないようなやりかたを探すことなのではないかと。
投稿: パンダ | 2015年2月 5日 (木) 10時40分
何だか私は、高い所から見下したような文章になってしまう事が多くて、大変恐縮です。
> Katzさんがこのブログ(あるいは掲示板)に興味を持たれて,
> そこにコメントで参加されるようになられたきっかけとか理由とか
> どんなことだったでしょうか。
恥ずかしながら私も最近、育児日記を付け始めまして。
そういうものをwebで公開すると、googleなんかでどうヒットするかが気になりましてですね、IT技術者としては。
で、私のブログがヒットしそうなキーワードを試していた時に見つけたのがこちらの掲示板でした。
私も元来が話し好きなものでして。ついつい、お話に割って入ってしまったりしたのでした。
ご迷惑をお掛けします。
> また,Katzさんにとってこのブログ(あるいは掲示板)が
> お役に立つ部分があるとすれば,それはどんなところと思われますか?
> 今実現していないことでも「こういうことが望ましい」ということでも結構です。
私も自己分析が趣味のようなものになってまして。
いずれは私の人生論をまとめて、怪しげな自己啓発セミナーのような事をしたいと考えています笑
その為に、ここのように人生問題に正面から取り組むような場所は、私自身を振り返る為の刺激を与えてくれます。
特にこちらは、まさに私自身の問題と重なる部分がとても多いワケでして。
要望としては、このまま変わらずにいてください、と。。。
投稿: Katz | 2015年2月 7日 (土) 04時22分
Katzさん
どうもありがとうございました。
定型アスぺ問題を考えると,どうしてもものすごくシビアなケースの方に頭が行きがちなんですが,掲示板にもお書きになっていたように,Katzさんのような,基本的には人との信頼関係を脅かされることなく,社会的にも活躍されている場合もあるわけですよね。この問題を考える時に,そういう可能性も視野に入れた目で見ていく必要性を改めて感じました。
何がそこでシビアになるかならないかを分けるポイントなのか。掲示板でKatzさんは親御さんの教育方針や周囲との関係を理由として考えられていましたが,そのあたりもすごく大事な問題なのだろうと思います。またいろいろお教え下さい。
> 要望としては、このまま変わらずにいてください、と。。。
ああ,ちょっと安心 (笑)
ま,こちらのこともまたお気づきの問題とかありましたらお教え下さい m(_ _)m
投稿: パンダ | 2015年2月 7日 (土) 09時17分