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2014年8月10日 (日)

お姫様抱っこ

 私の好きなテレビ番組に「探偵ナイトスクープ」というのがあって(笑),

 60を過ぎた女性が,20年来の夫に対する夢をかなえたい
 という相談を持ち掛けているのを見ました。

 その夢と言うのは「一度でいいから夫にお姫様抱っこをしてほしい」
 というものでした。

 探偵が現地に向かうと,出てきたのはとても60を超えているとは思えない,
 小柄の「かわいらしい」感じの,「夢見る少女」のままのような女性でした。

 話し方もいかにも「かわいらしい」感じで,その日常が少し紹介されていましたが,
 たとえば,20年間,毎朝欠かさずに行われていることが
 夫が出勤して玄関を出ると,さっと二階に駆け上がり,
 ベランダに出て「黄色いハンカチ」を振って夫を見送る,というものでした。

 夫がお風呂(トイレ?)から出てくる場面もありましたが,
 ドアの前で待ち伏せしていて,出てくると「ワッ!」とおどかして抱き着く,
 みたいな感じです。

 私はそのあまりに無邪気な「かわいこぶりっ子」さに笑ってしまったのですが,
 パートナーは真面目な顔をして
 「定型の人は,こういう女性がかわいくて好きなんでしょう?」
 と言うんですね (+_+)

 まあ「かわいさ」みたいなものはときどきはいいかもしれませんけど,
 ちょっとこのレベルで24時間こられるとしんどいなあと私は思ってしまうので,
 「そんなことないでしょう」と言うんですが,彼女は納得しません。
 
 で,その後,私がちょっとおふざけを彼女にしかけることがあったんですが,
 とたんに,「ほら,おなじことしてるじゃない」と言われました。

 それで「はあ,なるほどなあ」と思ってしまいました。

 私にとってはたまに子どものような気持になってちょっとおふざけをしてみる,
 という形でのコミュニケーションなのですけれど,
 彼女の感覚からするとその「たまに」は
 「いつも」にも感じられるレベルなのかもしれないと
 そんな風に思ったわけです。

 そうだとすれば,私が探偵ナイトスクープのその女性に感じた「違和感」と
 似たようなものを彼女が私のそのときたまの「おふざけ」に感じている
 ということになりますから,「はあ,なるほどなあ,そういうことか」
 という感じになったんです。

 こちらはちょっと「馬鹿になって」遊ぼうとしているときに,
 そのことがかえって彼女を「白けさせてしまう」わけでしょう。
 テレビのその女性の夫が,ずっとお姫様抱っこを拒み続けたのも,
 たぶんあまりに無邪気な「かわいこぶりっこ」さに
 もう白けてしまって疲れてしまったのではないかと感じたのですが,
 似たようなことをアスぺの彼女は定型の私に感じるのかもしれません。

 そうだとすれば,テレビのその女性の姿を見て
 これが「定型」の世界なのか,
 とパートナーが思ったとしても,まあわかる感じもします。 
 

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コメント

これは、「定型だから~」、「アスペだから~」、
という問題ではなくて、個人の好みの違いだと思います。(^_^;)

因みに私は、そのテレビの女性には退いてしまいますが、
ちょっとしたおふざけは好きですよ。(^_^;)

でも、そんなことよりも、奥様は絶対に意見を変えないでしょうから、
パンダさんは、ベストな対応をされたと思います。(^o^)丿

私の夫も、どう考えても間違っていることを強く主張してきます。
反論せずにいられなくなるのですが、
そうすると、必ず口論になります。(*_*)
聞き流すことができれば、それで良いのでしょうか?
そうするのも、本当は私には難易度高いのですが。(>_<)

みみりんさん

>因みに私は、そのテレビの女性には退いてしまいますが、ちょっとしたおふざけは好きですよ。(^_^;)

 これ,アスぺの方でも本当にいろんなタイプの方があったり,「スペクトラム」だったりするみたいですね。
 パートナーが言うには,スキンシップが好きかどうかについても,同じアスぺの方でも大きな違いがあるみたいですし,たしか以前コメントを下さったアスぺの方も,似たようなことを書かれていたように思います。
 あと,彼女の場合,もともとおふざけがまったく嫌いと言うわけではないのだけれど,私のおふざけが「すぎる」ので,「もういやになっちゃった」のかも (^ ^;)ゞ

>聞き流すことができれば、それで良いのでしょうか?そうするのも、本当は私には難易度高いのですが。(>_<)

 みみりんさんは御夫妻ともに「自閉症スペクトラム」なのですよね?
 私がとても興味を持ったことは,同じ自閉症スペクトラムの方同士のカップルでも,
 いわゆる「自閉度の強さ」によって,それが弱い方は,強い方に対して
 定型がアスぺの方にもつ悩みと同じような悩みを持つことがありそうだ
 ということです。
 これ,「アスぺ定型問題ってなんなの?」ということを考える上で,
 結構重要なポイントになるんじゃないだろうかと言う気がしています。

自閉傾向が弱い当事者と強い当事者とで
定型とアスペの問題と同じことは、実際に起きます。

うちの場合、明らかに私の方が自閉傾向が強いのです。
夫は、十分に社会適応していますし、
おそらく診断は下りないと思います。
(私も社会適応だけで判断されたら下りないかもしれません。)
そう言えば、東山伸夫さんも、
診断下りなかったんですよね?

細かいことですが、夫婦共に自閉傾向がある場合、
その強弱に関係無く、
互いにパートナーに不快感を与えることがあると思います。
(というか、うちがそうだと思います。)

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