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アスペルガーと定型を共に生きる

  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

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2014年8月23日 (土)

「すり合わせ」と「常識」

 なんとなくの印象ですが,このところアスぺの方から頂くコメントが,私が疑問に感じてもっと知りたいとか,考えたいと思っていることと,すごくかみ合ってとても刺激的に感じられます。以前は「ふーん,そういうこともあるのかなあ」という感じにとどまっていたんですけれども,今は「ああなるほど!」とか「そうだとすれば,ここはどうなるんだろう?」とか,なんだか「コミュニケーションできてる!」という感覚が出てきているみたいです。

 白崎やよいさんとみみりんさんから頂いた昨日のコメントでも似たような感じを持ちました。

>アスペルガー症候群同士では、適切な距離感はまず保てないと思ったほうがよさそうだと最近思っています。
 と感じる体験を今積み重ねられていることを教えていただきました。これについては「アスぺの方はそもそも対人関係がうまく作れないんだ」というような,定型の側からしばしばみられる批判的見方からすれば「やっぱりね」ということになるのかもしれません。定型とうまくいかないだけじゃなくて,アスぺの方同士でもうまくいかないじゃないか,という話です。
 みみりんさんからも

>「夫婦共に自閉傾向がある場合、その強弱に関係無く、互いにパートナーに不快感を与える」

 ということが語られていましたし,私のパートナーもアスぺの方同士でも関係はむつかしくなるかもしれない,というようなことを言ったりしますし,確かにそういえる面はあるのかなあと,改めて思いました。

 ただ,もう一方でその前のコメントで白崎さんは,「珍しい例」と断られながらも,
>当事者でブログを書いている人たちの中には、「家庭内にはアスペルガー症候群の診断がついた人しかいなくてコミュニケーションがとても楽」という人もいるみたいです

 とも書かれています。そして

>「似たような感覚」を持っている当事者はいますが、理解できない感覚がベースになっている人もいます。それは徹底的な人間不信だったり、攻撃性だったり……経験によるので人それぞれなのですが、「なんでこの人こうなんだろう?」と理解できない思いを抱えることが、当事者同士でも結構よくあります。

 ということも書かれているところから想像すると,アスぺの方同士でうまくいかないときは,「なんでこの人こうなんだろう?」と感じさせられるような「感覚のズレ」が大きい場合だったりするのかもしれないですよね。そういう「感覚のズレ」でうまく関係が取れない,ということは定型アスぺ間でも同じように起こっていることだと思います。

 逆に言えば「似たような感覚を持っている」アスぺの方同士はわりあいうまくいくということなのでしょうか。もしそうなら要するに「馬が合うかどうか」ということが大きいのかもしれないと思ったりします。

 それと,こんなことは言えそうな気がしました。

 定型の側はアスぺの方とのコミュニケーションで,「なんでこんな当たり前のことが理解されないんだろう?」という感覚を持つことが多く,その結果「そんなの常識でしょう!」という怒りの言葉が出てきたりします。逆に言えばアスぺの方はそれを「当たり前」とは全然感じられないので,定型がなんで「常識」という得体のしれない言葉で問答無用で自分の感覚や考え方を無理やり押し付けてくるのかが理解できず,とても傷つくことになるのかなと想像します。

 なんでそんなズレたやり取りになってしまうのか,ということですが,ひとつの考え方は定型同士は生まれながらに「同じ(似たような)感覚」を持っているから,お互いに理解しやすく,アスぺの方は「定型とはすごく違った感覚」を持っているからお互いに理解がむつかしくなる,ということでしょう。

 もうひとつの考え方として思いつくのは,定型は小さいころから他の人と自分の感じ方や感覚を「すり合わせる」ということをずっとやり続けてきたために,「大体似たような感覚」を持つようになり,逆にアスぺの方はそこにはあまり興味がないか,ちょっとやってみてもうまくいかないことが多いので,それ以上追及することを早めにやめてしまわれるので,それぞれの方が「自分の感覚」をそのまま伸ばしていかれることになり,よく言えば個性的だけど,ほかの人とは共有されにくい感覚を育てていくことになる。ということです。

 他にも考え方があるかもしれませんが,この二つについては,どっちもあるかなという気がします。このブログでのやりとりでも,基本的な感覚の違い,ということは何度か出てきました。そしてどういう感覚に違いが大きくなるかは,同じアスぺの方でも人によってさまざまだということもありました。それは結構「生まれつき」のところが大きいような印象を持っています。

 でも同時に「すり合わせ」を小さいときからやっているかどうかも大きいような気がするんですね。それは同じ定型同士でも,文化が違うといろんなことについて「基本的な感覚が違う」ということがよくあるように思えるからです。このブログでも何度か触れましたけれど,私の経験からすると,定型アスぺ間でよく問題になる「常識が通用しない」という感覚は,違う文化の人同士の間でも問題になることが多いんですね。

 ただ「定型アスぺ間」では定型が「常識」を武器にして,それにアスぺの方が反発する,という形になりやすいのに対して,違う文化の人同士の間ではお互いに自分の持っている「常識」が「正しい」と言い合う,「常識同士の闘い」になりやすいように思います。

 そのことを考えると,定型はやっぱり小さいころから周囲の人と感じ方のすり合わせを盛んにやっているから,周囲の人とは似たような感覚になりやすく,「常識」が共有されやすいけれど,違う世界に生きて違う感覚のすり合わせ方をやって違う「常識」を共有している人たち(つまり違う文化の人たち)とは理解しあうことがむつかしくなり,「(異なる)常識同士の闘い」になってしまう。それに対してアスぺの方はそういう「感覚のすり合わせ」から「常識」を共有していく過程が定型よりは少なく,むしろ自分独自の感覚を育てていかれることが多いので,「常識同士の闘い」にはなりにくい。そんな風に理解できるような気もします。

 要するに「定型同士はお互いの感覚のすり合わせを求め,<常識>を共有することをずっとやり続けてきている」のに対して,「アスぺの方は何らかの理由で感覚のすり合わせはあまりせず,自分の感覚を大事に育てていかれる」ので,白崎さんが感じられている,「アスペルガー症候群同士では、適切な距離感はまず保てない」というようなことも起こりやすいのかなと,そんな話です。

 そしてこの「アスぺの方同士,個性の幅がすごく大きくなっていきそう」ということについては,みみりんさんが書かれている

>例えば、「映画やドラマ等の理解力」を観点に考えると、私は自閉傾向強、夫は定型並みです。でも、「予定変更の苦手さ」を観点にすると、私は自閉傾向弱、夫は強、と、逆転します。

 という問題にもつながっているように感じます。

 とりあえず今回はそんなことをちょっと考えてみました。

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コメント

「そもそも、どうして結婚したんだろう?」に戻りそうですね。(^_^;)

私は元々、「個性が強い」と言われるような人と一緒にいる方が楽しいのです。
理解不能なことを言われると、面白いです。(^o^)

子供が生まれる前までは、今のような状態ではありませんでした。
子供ができてから、私は家事・育児に追われ、全く余裕がありません。
(もしかしたら、夫一人なら相手にできるけれど、子供+夫だと、人数が多くて、特性上、対応不能なのかもしれません。)
夫はずっと仕事が忙しく、やはり余裕が無いのです。

互いに相手への気遣いをしているどころではなく、
徐々に崩れてきたのだと思います。

以前は、夫のわけの分からない発言を「面白い」と思いましたが、
今は、夫がいつも怒り口調なので、腹が立つのです。


それから、私は、幼い頃から、周りに合わせようと、もの凄く努力してきました。(^_^;)
今、こうして、リアルでも、ネットでも、人との関わりが持てるのは、努力の成果です。(*^^)v
でも、どんなに努力しても、感覚のズレが直らないのが、悲しい所です。(>_<)

パンダさんとのやり取りが成り立っているのは、パンダさんが合わせてくれるからです。(^_^)

パンダさんのブログを通して、過去を振り返ると共に、自分のことが見えてきました。
ありがとうございます。

かずきです。

前のコメントのお返事にもなるのですが、

究極的な個人主義というか、
「理解はできないけど、かずきはこうなんだ」
と言うスタートラインから始まる夫の話は分かりやすいです。
長年培ってきたフィーリングな部分もありますが
それよりも、「かずきはこうなんだ」から始まる思考回路には
否定も拒否もありませんから、受け取りやすいでんす。

哲学を学んできたからかもしれませんが、
夫の中には「常識」とか、「しきたり」とかには「なぜ?」と
真っ正面から突っ込んでいく勇気が有るようで
「世間的にはこう、定型社会ではこう」という言い方も、
押し付けがましくなく聞こえます。

途中でした。

その上で、「俺は俺、かずきはかずき。息子は息子。」と、
「個人を尊重」してるような言い方が見受けられるようになり
「俺はかずきがASでも、息子がASでも、困ってないし苦労してない」
と、言い切りました。
ありがたい限りですが、
この「個人」を重視する事は、すり合わせが苦手なASにとっては
助けとなる対応のひとつではないでしょうか。

みみりんさん

>でも、どんなに努力しても、感覚のズレが直らないのが、悲しい所です。(>_<)

 そうなんですよね。
 生まれてから作ってきた「感覚(?)」ならもしかすれば
 ある程度調整することができるのかもしれないですが,
 生まれながらに持ってきた感覚のずれは調整しようもないのかも。

>パンダさんとのやり取りが成り立っているのは、パンダさんが合わせてくれるからです。(^_^)

 みみりんさんの方でもやり取りが成り立っていると感じてくださっているのは
 とても嬉しいです。
 私の方は「合わせている」という感覚はあまりなくって,
 「理解しようとしている」という感じです。
 そして,以前に比べたら,だいぶ「なんとなくわかるなあ」と
 感じられる部分が増えて来ています。
 そのあたりがやり取りが成り立ちやすくなったひとつの原因かもしれませんね。

>パンダさんのブログを通して、過去を振り返ると共に、自分のことが見えてきました。

 みんなの工夫次第で,そんなふうにお互いに自分を振り返ったり
 見つめなおしたりする場ができるのだとすれば,ほんとに願ってもないことです。
 そんな場が少しでも増えて広がっていくといいですね。


かずきさん

> 「俺はかずきがASでも、息子がASでも、困ってないし苦労してない」と、言い切りました。

 これ,ほんとにすごいことだなあと思います。そんなふうに言い切れるって,定型には簡単なことじゃないような気がして(単に私がだめなのかもしれませんが (^ ^;)ゞ 。

 私の場合は「苦労はあるんだけど,その苦労に意味があるような気がする」という感じが今のところは精いっぱいかもしれません。かずきさんのパートナーさんのようなレベルに到達できるには,まだまだ修行が必要なのでしょう。

前回はアスペルガー同士の付き合いのデメリットに関することばかり書きましたが、「ものすごく気が合うアスペルガーの人」というのももちろんいるんです。私の唯一無二の親友も、私のあとに診断されたアスペルガーですし(ADHDもあるので私とは少し違いますが)、親友とはとても気が合って、一緒にいると大変居心地がいいんです。定型発達の家族といるよりも、親友と共にいるほうが、気を遣いませんし気楽です。

が、それはたまたま親友が人付き合いが結構上手なタイプのアスペルガーで、二次障害も持たずに就労できているくらいの人なので、もしかしたら先方が私に合わせてくれている部分もあるのかもしれません。(私は人間関係の維持が困難ですし、就労も困難です)

要するに気が合うかどうかだというのは、アスペルガー同士だけの間柄に限らないと思います。定型発達の人でも「アスペルガーの人と接するほうが楽だし楽しい」と言う人もいます。

定型発達の人とアスペルガーの人との間には、生まれつき大きな感覚の差があるようです。アスペルガーの人が定型発達の子を産んで、自分をアスペルガーだと知らないまま自分の常識に合わせた教育をしたら、自分に診断がついたあと、子供は「理解不能な教育をされた」と言っていたという話を聞いたことがあります。どうしてそんなに違うタイプの人が生まれてしまうのか、とても不思議に思います。「個性」の範囲では片付かない問題だと思うので……。

白崎さん

>定型発達の家族といるよりも、親友と共にいるほうが、気を遣いませんし気楽です。

 ああ,やっぱりそうなんですね?

>定型発達の人でも「アスペルガーの人と接するほうが楽だし楽しい」と言う人もいます。

 その方はアスペルガーのパートナーをお持ちの方なんでしょうか?
 もしそうなら,そこまで感じられるのはすごいなあと思います。
 友人ということでしたら,私でもある程度はわかる感じがします。

>定型発達の人とアスペルガーの人との間には、生まれつき大きな感覚の差があるようです。アスペルガーの人が定型発達の子を産んで、自分をアスペルガーだと知らないまま自分の常識に合わせた教育をしたら、自分に診断がついたあと、子供は「理解不能な教育をされた」と言っていたという話を聞いたことがあります。

 これは定型アスぺ問題のある面を理解するうえでも,とても大事な例のように思いました。たとえ赤ん坊のころから育てられたとしても,親のやり方に違和感を感じ,理解が困難ということですよね。たしかに私の子どもも母親のことが理解できなくて苦しんでいました。

 それほどに「生まれながらに感覚が違う」ということがあって,その感覚の違いは「長年の経験によって乗り越える」ということがとてもむつかしい。子どものころから接していてもむつかしいわけですから,ましてや大人になって結婚してから理解しようとしても,本当に大変になるのは無理もないのでしょう。

>どうしてそんなに違うタイプの人が生まれてしまうのか、とても不思議に思います。

 そうですね。

 一方で不思議な気もするのは,たとえば言葉もまったく通じないということであれば,「お互い理解不可能な者同士」と考えやすいんでしょうけれど,でもこうやって白崎さんともちゃんと言葉でやりとりできるわけですし,そこで見方が一致したり,勘違いしていることを修正したり,それぞれの理解が進んだり,ということも起こるということです。

 ちがうんだけど,同じで,同じなんだけど,違う,そのややこしい関係がもう少し整理できてくると,なにかもう少し工夫ができるんじゃないかなあと期待をしています。

 

パンダさん、お返事ありがとうございます。

> その方はアスペルガーのパートナーをお持ちの方なんでしょうか?
いえ、友人関係だったり、支援者だったりという人たちです。(数人います)
裏がないところが気楽だと思ったりするようです。

「発達障害者の人は、異文化圏の人」という理解の仕方が結構良いと言っている人は見かけます。国際結婚をしたと思えば、通じないことと通じることがそれぞれいろいろあるのも納得しやすいのではと。私は「いっそ別の生き物だと思え」と言っていますが、これは当事者からでないと言えないです(笑)。「宇宙人」を自称する当事者もいますね。

別の記事に関連することですが、私は定型発達の友人に「友情を感じない」と言われていたことがあります。「利用するだけ利用して関心を持たないように見える」と言われ、結局友人でいられなくなってしまったのですが、私は相手のことを大切な友人だと思っていました。友人関係でもここまで言われるので、恋愛関係になったら大変だろうなーと思っています。

白崎やよいさん

>「利用するだけ利用して関心を持たないように見える」と言われ、結局友人でいられなくなってしまったのですが、私は相手のことを大切な友人だと思っていました。

 ここがほんとに重要なところなんですよね。白崎さんは大切だと思っているのに,相手の人が全然違う理解をしてしまう。そういう「誤解」をなんとかして解くことができないか,というのが私が一番考えたいことの一つです。

 そのために,お互いの考え方の特徴を理解しあえるといいと思っています。どうして白崎さんが「大切」と思っているのに,相手の方にそれが伝わらないのか。逆に「利用する」と理解されてしまうのか。その秘密を知りたいと思っています。定型アスぺ間ではそういうことがたくさん起こっているのでしょうから。

私も恋人に「大事にされてる気がしない」とよく言われ、それで別れることも多いですw
大事にするって何をすること?教えてくれたら全然やるよ。大事だと思ってるから。
そんなのは大事とは言わない。自分で考えてやることだ。
自分のしてほしいことを述べないなんてなんて怠慢なんだ!!と思ったんですけど、定型の世界では普通なんですよね。これ、本当にやなことですw

私も恋人に「釣った魚に餌をやらない」といわれた事が何度もあります。
もちろんそれが原因で別れた事も何度も。
身近すぎてぞんざいな扱いになってしまっていたのかなぁ、と最近になって思い返すようになりました。
でも、この「大切」にするという温度差は、片方からの努力だけでは埋まらない気がします。
ASから頑張って「定型仕様の大切」をしても、どこかでボロが出て
「本当はちがうんじゃん!」と、余計に定型を傷つけてしまう事になったり。

そういった意味で、ASに理解ない定型と付き合うのは
ぶっつけ本番、台本なしの舞台のようです。

かずきさんの「本当は違うんじゃん!!!」
私も経験あります……!!相手はひどく傷ついて、今だ回復できてなさそうな感じです。
私の方には合わせてもだめなのか、っていう絶望感が残りました。じゃぁどうしろと!ってなりますね。ここは理解あるのみなんですかねー…それでもちゃんと大事だと認識してるんだよと言うことをわかってほしいですね。
うん、大事だと思ってるというか、大事なんだと認識していますっていうこの感じ。

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