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アスペルガーと定型を共に生きる

  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

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2013年12月15日 (日)

言葉の力

 

コルテオさんの言葉から考えたことがあります。いくつかありますが、ひとつは「パンダさんの言葉から、悲しみは心の傷で、心の傷は共感により癒され、癒されると涙が出ること、コルテオはそれを経験したこと、を知りました。このような過程を、私は感覚的にわかることができません。自分に起きても、感じとれないのです。人の言葉は、心の動きを理解するのに重要です。」というところです。

 定型的な人間関係では、言葉はお互いの感情をつないだり調整したりする役割を果たすことが多く、それに対してアスペの方は、コルテオさんの言葉をお借りすれば気持ちの伝え会いや調整より「心の動きを理解するのに重要」というふうに、それぞれの「言葉の意味」を比較して考えてみることが役に立つかもしれません。

 もちろんあんまり単純には考えられないのでしょう。コルテオさん自身、自分がアスペルガーであるかどうかについては断言できない、ということを書かれていましたし、また仮にコルテオさんがアスペルガー的であったとして、コルテオさんのように、人との関係の中で動く感情に関わるような経験が「自分に起きても、感じ取れない」と言われる方もあれば、アスペルガールさんのように、他の人の感情が伝わってくるように感じる方もあるわけです。「自閉症スペクトラム」という考え方からすると、「自分や他人の感情の感じ方」については、強い弱いがある、という形で理解することも出来そうです。

 いずれにしても、「感情」ということについて、「言葉」が果たす役割は随分違いそうではありますが、その違いについて、理解をある程度深めることが出来れば、そのことを前提にして、お互いの「理解」について言葉は大事な役割を果たす可能性があるのではないでしょうか。コルテオさんが「パンダさんが何気なくおっしゃった言葉にも、私には、学ぶべきことが沢山あります。」と書いて下さっているように、私が定型的な感覚を持ちながら言葉にしていることについても、何かしらお役に立つことがあるようですし。

 そういう「言葉の力」のようなもの、言葉でのやりとりが持っている可能性がありながら、実際にはアスペ定型間で言葉のやりとりが深刻なぶつかり合いの原因になることが少なくないのは、「言葉に求めているもの」にお互いに大きなズレがあることに中々気がつけないからではないでしょうか。

 すこし乱暴なたとえ話で言えば、定型が八百屋さんと気づかずに魚やさんだと思ってアスペの方にさかなを頼んで、アスペの八百屋さんは当然野菜を注文されたと思って野菜を出した。そしたら定型がショックを受けた。またはその逆でもいいですが、そんなことがあちこちで起こっているのかもしれません。

 昨日も記事「優しさ」をパートナーに読んでもらって意見を聞いたんですが、「思い遣り」という言葉にはとても違和感があるとのことでしたし、「優しさ」や「誠意」という言葉にもなんとなくひっかかりを感じるようでした。「誠意」なんて、常にそんなことしてるわけじゃないし、いつでもそんなことをしていたら身が持たない、ということも言っていました。

 そんなふうに同じ言葉でも私が使うときの感覚と、パートナーがそれを読むときの感覚ではやっぱりズレがあるし、そのズレがすごく深刻になってしまう言葉もあるんだと思います。そしてそのひとつは感情のやりとりに絡んだ言葉なんでしょう。

 そのズレ方がもう少し分かってくると、八百屋さんで魚を注文するようなちぐはぐなことは減っていくと思いますし、そうなればおかしな誤解によって妨げられずに、「お互いの理解」のために言葉は改めて力を発揮できるようになるのかもしれません。

 もちろん、それがある程度出来たからと言って、「魚を注文したい」という気持ちがなくなるわけではないでしょうし、そこは単に「言葉の理解」の問題だけで解決できる話ではないと思いますけれど。

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コメント

お久しぶりです。

言葉の意味を頭で理解して記号や方程式のように使う人と
言葉の意味を感情と同化させて絶対正解として使う人と

ぶつかった場合、前者はやはり頭をフル回転させるだろうし
後者は、感情の解決から始めないといけないし

言葉の通訳は、あくまでも辞書的な理解にとどまるので
ASの人はまさか、共感をめざして定型が通訳したり説明したりしているなんて想定外で
「困る、そんな一方的な目的を持たれても」
ということなんでしょうね。

欲が深いのですよね、定型の方が。

ASの人と仕事をしたり、友人として一緒に過ごしていると、
楽しいんだけれど、ものすごく学びも助けられることもあるのだけれど
親しくなるほど自立を促されるという不思議な感覚があります。

一緒にいればいるほど、精神的自立をしなければならない。

この精神の自立が、定型はASよりう〜んと弱いですよね。



---以下引用-----------------------

>言葉の意味を頭で理解して記号や方程式のように使う人と
>言葉の意味を感情と同化させて絶対正解として使う人と

----------------------------------

初めまして、トマトさま、アスペルガールと申します。

これ、凄いですね、頭の中が整理されていくようでした。
ありがとうございました。

言葉とはたいへん便利なものですが、正確に言葉と定義すればするほど、伝えたい本質からは遠ざかってしまうことがあります。何故なら、「言葉というものは無数の対立概念で成立している」からです。

 例えば、『WATER』と『そうでないもの』

 最近読んだ脳科学の本に、ヘレンケラーはWATERという言葉を知った時に、
 彼女の世界に、『WATER』と『そうでないもの』が生まれたとありました。

 言葉の無い世界に住んでいた彼女には、
 そもそも、言葉による分け隔てが存在せず、

 でも、WATERという言葉と、手にふれる冷たい感覚とが、
 重なった時、彼女の世界に、WATERが表れました。

 例えば、『赤色』と『そうでないもの』

 赤色とは、他の色があって初めて赤色と分け隔てされます。
 もし、目で知覚出来る色が1色であれば、
 赤色という言葉は生まれなかったでしょう。

 赤とピンクは言葉としては違いますが、
 それを、赤と呼ぶのか、ピンクと呼ぶのかは主観の世界となります。

 例えば、『アスぺ』と『定型』
 
 アスぺ等の発達障害存在した瞬間に、
 定型発達と呼ばれる言葉も生まれたのではないでしょうか。

 でも、アスぺが何かって未だよくわからないのも事実・・・・・

こんな風に言葉とは対立する概念があって初めて成立し、
しかも、その言葉の認識は人それぞれ違うこともあります。

では、再定義ってことで、さらに定義しても、それも、人それぞれ、
何度繰り返しても、どんどん深みにハマってしまうことだってあります。

トマトんさんもパンダさんも、
大変謙虚に書いてくださりまして、いつも、ありがとうございます。

定型発達の方が求めている共感についてですが、
恐らくアスペルガーの方に定型発達的共感を求めるのは酷かとも・・・・・・

ハッキリとは分かりませんが、
そういった情動感染的機能が発達していないのではないかと推測しています。

定型発達の方の仰られている共感(情動感染的同調)に、
大切な人が呼応し合えないというのは、
翼をもがれた白鳥のようなのかなぁと想像しておりますが、

元々、空を飛べない鶏に、それを求められても、
応えられない罪悪感しか存在しなくなってしまうのではないでしょうか。

また、ASが論理的なのも、こういった同調が存在しなかったための、
欠点から創造された副産物のようなものだと認識しております。

空を飛ぶことを楽しいと思う方と、
空を飛ぶのが当り前の世界で、他の部分を伸ばしてきた方と、

違いに価値を感じられるかどうかは人それぞれ。

私は定型発達の方が好きですし、
今までにも沢山優しくして頂いてきました。

のでので、違うからこそ有難い学び合える存在だと認識しています(´▽`*)

情動感染的同調については少し詳しく書いてみております。
もちろん、これは、間違っている可能性大ですので、
色々とご意見を頂きながら訂正していくつもりでもあります~
参考URL)http://www.trendmental.com/asperger/asperger007.html

ではっ、失礼します。

トマトさん

 掲示板ではなく、ブログの方ではお久しぶりです!
 お帰りを心待ちにしておりました (^o^)

>親しくなるほど自立を促されるという不思議な感覚があります。

 これ、すごく印象的で重要なポイントかなと感じました。
 「親しい」ってどういうことなんだろう? 
 と改めてほんとに考えてしまいますね。


アスペルガールさん

>情動感染的同調については少し詳しく書いてみております。

 すごく整理されていて分かりやすいですね!
 こんなふうに、当事者の視点を踏まえて、いろいろ議論が進むと、
 また新しいものが見えてくるんじゃないかと期待してます。

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