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アスペルガーと定型を共に生きる

  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

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2012年4月21日 (土)

頭から否定する?

 アスペの方は「仕事モード(他人モード)」と「自分モード」という二つのコミュニケーションの仕方があって、それがとてもはっきり違っている、という話がありました。

 例えば私のパートナーは仕事関係の電話に応対しているときの話し方など、感情の込め方話の合わせ方など、定型的な感覚で聞いていてほとんど違和感がないくらいまでになる(仕事モード)のですが、電話が終わったとたんに表情がすっと変わり、「愛想のない」と感じられるような普段の顔に戻っています(自分モード)。

 彼女がアスペと納得するまでは、「本当は愛想良くできるのに、僕に対して反感や拒絶感を持っているから、ああいう表情にサッと変わるんだ」と私はずっと信じ込んできていたし、それでものすごく辛い思いをしてきたわけです。

 そのことに関係するようなことで、今日またひとつ分かったように思えることがありました。たとえば「今日は暑いねえ」とか、「あのひとの洋服、なんかおかしいね」とか、どんなことでもいいんですけど、パートナーに意見を求めると、断固としてそんなことはあり得ない、とでも言うような否定の言葉が返ってくることがとてもよくあります。

 定型の私としては当然(?)むかっと来たりするわけです。同じ否定するにしても言い方があるだろうと。「そうかもしれないけど、自分はこう思う」とか、「うーん、そうかなあ?」と軽く疑問で返すとか。それを「あなたは何を言ってるのか、客観的な真理はこうに決まってるじゃないか」とでも言うような雰囲気で断固否定するような言い方をする。

 なんでなのか、ずっと不思議だったんですね。そして今日散歩しながらまた同じようなことがあって、話をして分かったのは、彼女にとって私に断言調でそういう言い方をするのは、単に「自分にはそう感じられる」ということを言っているだけであって、それが真理だ、というようなことは全く考えもしていないと言うことでした。つまり断言調に聞こえるのは「自分の感じ方を断言している」だけのことだというわけです。

 じゃあパートナーがそういう言い方しかしない人なのかというと、それはそうじゃなくて、「うーん、私は○○だと思いますけど」みたいなことも言える人な訳です。ところがそれは「仕事モード」での話なんですね。「自分モード」にもどったときはそういう「前振り」というか、「言い訳」はすっ飛ばして、ストレートに個人的な感想を言う。それがあたかも私には私の個人的な感じ方や意見が頭から否定されたように感じてしまうと言うわけです。

 つまり、彼女としては素の自分に戻って話をしてくれているわけです。お客様向けではなく。そうすると私がむかっとしたりする。まあ、そういう仕組みが分かって、ああ、あの言い方は「個人的な意見を言っているつもりに過ぎないんだ」と頭では理解できるようになりましたから、これからはただむかっと来るだけではなくなって、もう少しクッションが入るでしょうけれど、「はあ、なるほどなあ」と思わせられたことでした。

 

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コメント

自分の感じた事をそのまま飾らず言えるパンダさんのパートナーさんは、パンダさんのことを心底から許しあえる存在としてとらえているのでしょうね!とてもステキだと思います。
「自分モード」って、PCでいえば「safeモード」みたいな感じだと思います。無愛想で不親切で最低限で。でも、一番コンパクトで確実に状態を把握できてプリミティブで。考え方によっては、ご理解頂けるものではないかと。
「夫婦間でも気を遣って然るべき」「最低限でも、笑顔や声掛けはあるはず」という感覚を持つグループ(定型)があるのは理解しています。それに比べて、ASは「待機電力」というか「省エネモード」の省エネ度合いが、機能が相当限定された設定なのだと思って頂ければ。表情筋や、ニュアンス分析機能の電源をOFFにできてしまう、そんな感じと思います。
ひとりの当事者として擁護的に書いてみましたが、いかがですか?

はじめまして。
パンダさんのブログ、玄さんのコメント等を拝見して、
彼とのお付き合いのなかで、疑問に思っていたことが
いろいろつながってきた気がします。
アスペと思われる彼とのやりとりの中で、なんで?私のこと嫌いになったの?ということが時々あって悲しい思いをしていました。仕事上のお付き合いの方には、共感する言葉があるのに、私の言葉に対しては無愛想な返答が増えてきたんです。
たぶん「自分モード」だったんですね・・・
それなのに、ストレートな彼の言葉を聞くとムカッときてしまっていました・・・

パンダさんとパートナーさんの関係は素敵ですね。

玄さん

 玄さんのパソコン比喩ってわかりやすいですね!
 個別の機能の電源をオフにすると言う話もなんかリアリティーが感じられます。
 アスペの方を理解する上で手がかりになりそう。

うさぎさん

 はじめまして、どうぞよろしくお願いします。
 定型とアスペの間に起こるズレって、ほんとに不思議なくらい
 いろんなひとと共通してたりしますね。
 そういうのをひとつひとつ発見しながら、いろいろ考えていきたいです。
 また気楽に感じたことや疑問に思ったことなどコメントして下さいね。

はじめまして。やっと心の拠り所のブログをみつけて‥‥パンダさんありがとうございます。
私もうさぎさん同様アスペの彼がおりまして、も〜一杯一杯なんです。
何か意見が欲しい時は、話題そのものに対して自分の意見を話すのですが、それが私にも関係がある場合、え?貴方は私をそう思っていたの?と思ってしまいます。アスペかも知れないと話してくれなければ、イヤミな皮肉屋な人にしかみえません。だからなるべく話題は厳選するのですが、何せ人間に興味が薄い上に、自分の話でも興味のあるものにしか食いついてこないので、話題を探すのにも一苦労です。人間良い所ばかりじゃないのは理解しておりますが、パンダさんがおりに触れて、自分に興味がないのかな?と思う。って私も正にその心境です。

パソコンの例えは、沖縄の精神科の先生(ご自身がADHD)のサイトからインスパイアされたものなんですよね・・・オリジナルとは違いますが。この先生のサイトは、僕がアスペルガーという概念を受け入れるのにとても勉強になった情報源だったのですが、最近のこの先生のAS観は僕の解釈からどんどん離れていってるんだよなぁ。
例え話が、理解を助けになるのは嬉しいことです。また考えます。

チビたんさん 初めまして。
AS女のさかなやと申します。

彼氏さんが、まるで自分のことのように思えました。
人間の話って確かに興味ないんですねえ。
他人の話だったら反応もしないし、好きな相手のことでも、自分のことも、あまり言葉にしたいと思わないです。

でも、好きな人と一緒にいることは楽しいんですよ。
趣味の話だけで一日終わっても満足なんです。
黙って一緒にいるだけでもいい。
でも、いろんなことを話せないと、定型さんは満足しないんでしょうか。
お互い、難しいですよね。

チビたんさん

 はじめまして。どうぞよろしくお願いします。
 「心の拠り所」と言っていただいて(あ、違う、書いていただいて)、嬉しいような恥ずかしいような気持ちです。ま、色んな方の「心の寄り所」であればいいなと思います。
 またいろいろ愚痴やら発見やら質問やらお寄せ下さい。

玄さん

 その沖縄の先生のサイト、わりと有名ですよね?多分。私も繭さんに教えていただいて覗いたことがあったように思います。ちょっと見方に独特の癖があるような印象が残っていますが、具体的には何だったか忘れてしまいました  (^ ^;)ゞ

 「例え話が、理解を助けになるのは嬉しいことです。また考えます。」

 このたとえ話って、アスペと定型のようにズレを抱えてスムーズな理解が難しい関係ではすごく手助けになることが多いように感じています。「自分の場合で言うとどういう例に当てはまるんだろう?」とか、そんなふうに考えると「あ、そういう感じかなあ」と想像できたりすることが結構あるんです。そこまで思いつくまでに時間はかかりますけど。で、そうなると関係がちょっとやわらかくなる気がします。
 

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