切腹はやっぱり痛い
昨日おかげさまでとりあえず退院してきました。
「禁食療法」でダイエットかと思いましたが、進行が急で入院翌日には医者から切腹を命じられ、その次の日からは重湯に始まって数日で通常食に戻ってしまいました。とはいえ、さすがにお腹を切られると体力を使うようで、体重は数キロ減ったようです(数キロ分内臓を切り取ったのではありません (^ ^;)ゞ )。
まだお腹がつっぱらかったような感じで、咳やくしゃみをすると傷口が裂けたかと思うような痛みに泣いてますし、体力も徐々に回復させないといけない段階で、気力も不十分なので、ちゃんとした記事は書けませんが(今までもそんな記事は書いてないから同じじゃんという声も……(^ ^;)ゞ)、ぼちぼち復帰しますのでよろしくお願いします。新しくコメントをお寄せいただいたみなさんにもお返事ができずにすみません。
今回の入院でもいろいろ感じたり考えたりしましたが、ひとつ切実だったのは、やっぱりお腹を切るって大変ね!ということです(内視鏡手術とかだとまただいぶ楽のようですが、私の場合、内視鏡手術で始めたのですが、それでは手に負えないと言うことで途中から開腹手術に切り替わり)。私は初めてでしたが、経験者の方はご存じかと思いますけれど、切ってる最中は全身麻酔で寝てますし、起きてからも麻酔が切れる頃には痛み止めを継続的に点滴で入れられますし、しかも看護では衛生面にはものすごく気を遣われて、なわけですけれど、それでも痛みが消える訳じゃないし、体を動かすと恐怖の激痛がきたり(それでも術後は内臓の癒着防止や機能回復などのために、24時間点滴態勢で点滴を引きずりながら、翌日くらいからは歩行などの運動をさせられます)、とっても嬉しい日々が続きましたね。
で、しみじみ思ったことのひとつは、こんだけしんどいのに、まあ人間はなんでちゃんばらとかずっとやり続けてきたんだろう、ということです。
歴史ドラマとか見てると実にはなばなしくズバズバ敵を切り殺していきますが、あんなの嘘に決まっていて、切られたってそう簡単に人間死ぬもんじゃない。即死なんてほとんどなくて、戦闘時は興奮の極ですから、切られても気がつかなかったりするわけです。で、一段落したところで激痛が襲ってくる。で、ある意味戦争で一番壮絶なのは戦闘終了後だったはずです。痛み止めもない、衛生状態も悪い、もちろん輸血もない状態で、のたうち回って苦しんでる戦傷者がごろごろしてるわけですよね。で、これは朝鮮戦争時代にもあった実話だけど、衛生状態悪いと傷口にすぐに蛆が湧いたりするようです。これがまたもちろん強烈に痛い。
ほとんど地獄絵図の世界だと思うんですよね。現実に戦場を体験した人の多くが「二度と戦争はしたらだめだ」としみじみ思うようですけど、そりゃ当然じゃないでしょうか。にもかかわらず今に至るまで「正義の殺し合い」はなかなか止む気配もなく、「大量殺戮」を「大義」として人々をそちらに駆り立てようと一生懸命教育宣伝しようとする「勇敢」な人々は繰り返し再生産されていく。私なんか根性無しだから、すぐに「そんな痛いことやめて、この辺で手打ちとしましょう」となりそうですが、そういう「かっこわるい」のは「勇敢」なみなさんからすれば許されないんですよね。
でも、ほんと、痛いですよ~。即死ですぱっと死んじゃうなら楽なんだけど、そうそう簡単に人間死にませんから、地獄の苦しみが長期間続いて、それでようやく死ぬか、あるいは生き残るか。
こういうの、核兵器や原発事故とか環境問題とかでも同じですね。「一瞬でみんな死んじゃう」ならある意味ハッピーエンドな訳です。でも実際は今がそうであるように、生き残った(死ねない)ほとんどの人たちが、その負の遺産を何代にもわたって抱え続け、その痛みと共に生き続けていかなければならない。「死ぬ」ことが深刻なんじゃなくて「それでも生き続ける」ことに問題の本当の深刻さがあるわけです。「勇敢」な方達はそのことのリアリティーをどう考えるんだろう。
ま、そんなことも考えながらの入院でした。
あと、看護師さんに「あれ?もしかしてこの人アスペ?」とか思う事例もあったりしましたけど、またおいおいに。
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コメント
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パンダさん、お帰りなさい!
思っていたよりもずっと早い更新だったので、驚きました&嬉しいです。
やっぱり、ブログ主さんがいらっしゃらないと・・・!(^^)
入院&切腹、大変でしたね。ひと言で言ってしまうには軽すぎますが、お疲れさまでした。手術後の痛みや、恐る恐る動いてみる時のあの感じは、他のなんでもそうですが、本当に経験してみないとわかりませんよね。
>そうそう簡単に人間死にませんから
本当にそう思います。
痛みがあると精神的にもダメージを受けてしまいますし、どうか、無理なさらないようにお過ごしください。
投稿: カレン | 2011年9月27日 (火) 16時24分
パンダさん、大変でしたね。お大事に。
手術って、どんなに小さいものでも「大けが」ですもんね。痛いですよね。
体力(気力も?)消耗されてると思いますので、ゆっくり目に生活してくださいね。
投稿: KS | 2011年9月27日 (火) 18時02分
パンダさん、断食かと思いきや、切腹だったとは。大変でしたね。
ゆっくり休んで、心身ともに回復されますように。
投稿: 繭 | 2011年9月28日 (水) 10時42分
繭さん
断食でいけるのかと思ったけど、思ったより進行が早かったので緊急手術でした。
面白いもので、体はしんどいですけど、シビアな状態に体が追い込まれたことで、
逆に精神の方は前よりしゃんとしてきた気がします。
なんか「生命力」って面白いなあと思います。
疲れやすいのは間違いないですが……
投稿: パンダ | 2011年9月28日 (水) 15時18分
カレンさん
「手術後の痛みや、恐る恐る動いてみる時のあの感じは、他のなんでもそうですが、本当に経験してみないとわかりませんよね。」
まあほんとにそうですねえ。
とにかく私の場合、根性なしで痛いの特に苦手なんで、
術後数日はほんとに動くのが恐怖でした……
KSさん
「手術って、どんなに小さいものでも「大けが」ですもんね。」
ほんとに。ふつう怪我したって内臓が見えるような怪我なんてまずないでしょうし。
縫合も三段階してるんですって。一番内側のお肉の部分、次の脂肪層の部分、
そして皮膚の部分。今の糸は半年か一年すると自然に吸収されちゃって、
抜糸の必要なないそうです。
そういえば切開部分の上にびろーんと特殊なテープが貼られてたんですが、
それを見た瞬間にパートナーが「あ、ネコと同じだ」と言ってました。
家の(元野良)ネコに避妊手術したとき、同じようなテープで傷を塞いでたんです。
「ネコと同じ」と言われて私は嬉しいような悲しいような (^ ^;)ゞ
投稿: パンダ | 2011年9月28日 (水) 15時27分