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アスペルガーと定型を共に生きる

  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

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2011年6月 4日 (土)

「自分モード」のコーディネート

 昨日はRosamonde姐さんの書かれている「自分モード」の大切さについて、少し書いてみましたが、同時に本の中で繰り返し書かれていることで、ちょっとハッとしたことは、以前よりもそういう「自分モード」でできる仕事が減ってきたという指摘です。

 Rosamondeさんのダンナさんは小学生時代から入れ込んできたパソコンのプログラミングの能力を活かして、IT関係のお仕事をされているようですし、Rossamondeさんご自身は、人に合わせて話すのは苦手だけど、自分の関心のあることについてならひとりでいくらでも話し続けられる、という得意なところを活かして講演活動を続けていらっしゃるとか、あるいはAnさんがコメントで「無理に周りに合わせず、ASに(というか自分に)合った仕事をするのが一番かと思います。」と書かれ、フリーランスで在宅のデザイナーをされていることとか、それぞれに「自分モード」を活かして道を見つけていらっしゃるわけです。

 そういう場所がある一方で、会社組織の中ではひとつのことをしっかりこなすことではなく、多分人件費削減圧力の影響が大きいのだと思いますが、ひとりがいくつもの役割をこなすような働き方が強く求められるようになってきて、それが今までは「ちょっと変わった人」と見られながらもちゃんと仕事をこなせてきた人を浮き上がらせてしまい、不適応状態にしてしまうことが多くなったというわけです。

 IT関係など、新たに生み出されてきた適職がある一方、これまでこなせてきた職種が適応しにくいものに変わってきてしまっている。増えた分と減った分のどちらが大きいのか、私にははっきりわかりません。ただ増えた方はどうもある程度の「才能」が要求される職種であるような印象は受けます。もしそうなら、大多数を占めるだろう一般的な職場の場合、「ひとつのことをしっかりこなす」という働き方が難しくなる分、Rosamondeさんの書かれているように、やはり全体としてはアスペルガーの人に不利になっているのかも知れません。

 会社の組織自体も、以前のように部署毎に縦割りで固定されているよりも、プロジェクト毎にいろんなところからその都度人材を集めてチームを作って横断的にやるような形が増えていますから、ここでもいわゆる「コミュニケーション力」みたいなものが重視される結果になっているでしょう。

 うーん、そうすると、まあそうはいってもチームの中にはいろんな特性を持った人が集まるわけだし、それぞれの得意をうまく組み合わせてそれぞれの力を最大限に発揮できる環境を作ることが重要ですよね。当然その特性の中には「一つのことをしっかりこなす」みたいな力も要求されるはずだから、大事なことはそういう多様な個性をうまく組み合わせるコーディネーターがいることなのかな。そういうコーディネーターはそれじたいがひとつの才能だし、誰でもできるわけではないから、それが得意なタイプの人がやればいい、と考えれば、新しい働き方の中でも、うまくいけばアスペルガーの人も自分の場所を見つけられるのかも知れないですね。

 ああ、そのへん、Rosamondeさんも自分ができることとできないことをはっきりさせることの大事さや、それを相手に伝えることの大事さを何度も書かれていました。それはアスペルガーの人にとって特に必要なこととして書かれていましたけれど、でも考えてみれば、定型であろうとアスペであろうと、どちらにも必要なことですよね。

 今は「なんでもできる」マルチタレントが求められるような雰囲気があるかも知れないけど、それよりも多様な個性を認め合い、伸ばし合ってそれをうまくコーディネートする方が結果として成果も大きいんじゃないだろうか。みんなを一色に染めて強引に引っ張っていくリーダーと言うより、カラフルな人材を上手に組み合わせていくコーディネーターですね。

 そのためにもお互いの個性とか、それぞれの人の「自分モード」を受け止めあえる雰囲気が大事なんだろうなあ。

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コメント

仕事場で、アスペルガーらしき人を、私も色々見てきました。
なんとなく、仲間意識は出るし、どこがダメなのか客観的に見て分かるから応援したいんだけど、自分もいっぱいいっぱいだから、うまくできない。
彼らは周りに疎まれ、部署をたらい回しにされたり、クビになったりしました。
悪気は無いし、根は良い人なのに、気を遣えなくて周りに馴染めないだけで、かわいそうな目にあうんです。(もちろん、仕事もテキパキとできないせいもありますが)

世の中の大多数が定型発達者である以上、この問題は仕方ないことだと思います。が、やりきれませんね。
自分モードのコーディネートをするって、難しいです、本当に。

私は周りに合わせるために、自分らしい生き方ができず、遠回りをしてきました。
協調性を持てるように、定型の模倣をしてきて、理解しようとしてきて、精神を疲弊させながら…
ここ数年ようやく、自分らしい生き方ができるようになってきました。

仕事は、そこそこよくなっているものの、稼ぎも生活できるギリギリです。
天性の才能があればいいのですが、そんなのはないので、今は技術を高めるため、日々勉強です。

しかしそれ以前に、物事を規則正しく進めることをもっとしっかりしないと…
だいたい、毎日決まった回数のごはんを食べることから、定時に寝るのも苦労するのです。
それに加えて、仕事まで頑張るとは…ううむ。
生きるって難しいです。

Anさん

 先日散歩しながらちょうどパートナーと
 「生きるって難しいです。」と感じながら生きている人は
 想像以上に多いんじゃないかなということを話してました。

 「世の中の大多数が定型発達者である以上、この問題は仕方ないことだと思います。
 が、やりきれませんね。自分モードのコーディネートをするって、難しいです、本当に」

 今の今は「仕方ない」んだと思うけど、だんだんと「仕方がある」という形を
 模索していければなと思います。
 実際、定型の側も悪意が無く、むしろ善意の固まりのようにサポートを試みながら、
 結局それがうまく相手に伝わらずに一方的に傷つき続ける人もいる。
 もし定型の側が「権力」を持つ方ならアスペの人が排除されることもある。
 そしてその逆にアスペの人が一生懸命真面目にやるのに、
 それが全然理解されなくて、変な形で理解されて排除されることもある。

 自分モードのコーディネートをするには「自分にとっての善意」でものを見るだけでなく、
 「相手にとっての善意(それは自分にとっては悪意に見えることもある)」を
 どれだけ柔軟に受け止められるか、という力が重要になるように思います。
 これは口で言うほど簡単なことではなくて、かなりしんどいことなので、
 どうやったらそれが多くの人にあまり無理なくできるようになるのか、
 なんにしてもこういう場などを通して手探りで探していくしかないと思ってます。
 

私も一時期デザインの仕事に就いていたことがあり、そのことについて考えていました。
小さな事務所で、独特の穏やかさと情熱を持った人が多かったですし、個人作業の積み重ねや、過集中的なことは普通の世界でしたので、私にはとても居心地が良かったです。
ただ、仕事はきつくて、プライベートの時間は限られた少しでしたし、(特に駆け出しの)報酬はわずかで、好きでなければ続けられない仕事でした。

大好きで就いた仕事でしたので、打ち込んでいたのですが、退職しました。
体力が続かなくなったこと、それを心配する家族の心配、同じく夫(お付き合い中)の心配と、私が彼より仕事を優先させ過ぎているという、彼の不満(終わらない喧嘩)。

こまごまとした言い訳はありますが、なによりも大きな理由は、私が自分を信じられていないことに気付いたことでした。

自分の作ったものを提供して、報酬を受け取る仕事です。それなのに、提供する側が、それを自分で信じられないようでは、そもそも仕事をもらいに行けないのです。社内で企画があっても、手を挙げることのできない自分に、なんともいえない気持ちでした。
そして、家に帰れば「心配だから辞めたほうがいい」とか「僕と仕事とどちらが大切なの?」とか…。

それらを振り払えないのは、何故なんだろう…と考えていて、自分にはなにか問題があるのかもしれない。と考えるようになりました。退職後、しばらく家に引きこもりました。
そのあとも夫(未婚)とは色々あって、私には仕事に強く反対されたことも大きく、数年間に渡って、それについては問題と言い争いの種でした。

仕事については、その後広い意味で同じ業界の、(普通のといったらいいのか)会社に入りました。そこで自分の一般職的な事務能力の適正のなさを思い知ることになりましたが、その話はまた別の機会にと思います。

デザインの仕事を思い出すと、自分を信じ、応援しきれなかった苦い思いが湧いてきます。同時に、だから今、こうして自分と向き合えるようになっているのだとも思います。

「自分モード」で職業を求めるのであれば尚更に、自己肯定感はとても、とても、大切だと思います。


Anさん

フリーでお仕事をされていて、すごいなぁと思います。
私は逃げ出してしまいましたが、やはり作ることは止められなくて、趣味でこまごま作っています。
職業としてはもうむずかしいですが、これからも続けて行きたいと思っています。

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