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  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

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2011年1月12日 (水)

アスペと定型のギブアンドテイクの意味(6) 「仮完結」編

随分長くなってしまいましたが、そろそろとりあえず、現段階で思うことをまとめてみたいと思います。

始めに書いたように、人間関係の中で「ギブアンドテイク」というのは、現物のやりとりであっても、気持ちのやりとりであっても、とても重要でそこから人間は逃れて生きられないと思います。それなのに、アスペと定型の間ではそのギブアンドテイクにものすごく大きな困難が現れる。それは私個人の数少ない経験から言っても、ほんとうにもう絶望的な思いに何度もなるようなもので、その感じをこのブログでも「ブラックホール」とか「砂漠に水を撒く」というような表現で書いてみました。また「別の通りすがり」さんははっきりと定型と非定型(アスペルガー)にはギブアンドテイクはないと断言されています。

そういうギブだけがあってテイクがないような一方的な関係の中で、なおギブを続ける、というのは一つには「奉仕」のような関係で、それが行き着く一つの先は宗教的な精神ではないのか、ということを考えてみました。そしてそういう「聖なる次元」ではなく、俗世間の中でありうるもう一つの可能性は「子育て」に見られる一方的なギブの関係だろうと考えてみました。とはいえ、そのいずれも別の形ではギブアンドテイクにはなっているわけで、その意味で始めに書いた人間関係の形と本質的には変わるものではないだろう、ということも書きました。

ただ、「奉仕」と「子育て」に違いがあるのは、聖なる次元か俗の次元かといいうことだけではなく、それが「特定の人に対するものかどうか」ということです。「奉仕」は万人に対する、そして「子育て」は特定の人に対するものになります。

ではカレンさんと「別の通りすがり」さんの間で問題になった定型とアスペの関係はどちらかと言えば、当然夫婦という「特定の人との関係」になります。夫婦の間でお互いを思いやるのは、一方的な奉仕ではない。もし一方的な奉仕になってしまえば、それは一方が他方に従属することになるか、あるいは宗教的な境地に達して「万人を受け入れる」かのような意味で目の前のパートナーも受け入れる、といった関係になるでしょう。それはいわゆる夫婦という関係のレベルを越えてしまっています。もちろんそれはそれで素晴らしいでしょうけれども、世の中に相当の数苦しんでいらっしゃるだろう定型とアスペのカップルの中で、そういう悟り的な関係を求めることは不可能です。もしそれを求めてしまえば、結果的には単に一方が他方に従属するだけの関係になってしまう可能性が大でしょう。

そうすると、大多数のカップルにとっては、あくまで俗の関係の中で、そのレベルで問題に向き合っていかなければならない。あくまでも「特定のこの人との関係」がどうにかならないといけないわけです。ということは、そこで目指されなければならないのは俗のレベルで「ギブアンドテイク」の関係をどう作るか、と言うことであり、それが出来れば関係は持続できるだろうし、出来なければ関係は解消されることのほうがお互いのために良いかも知れません。

ではどうすれば「ギブアンドテイク」の関係に近づけるのか。「別の通りすがり」さんは今回は絶望を表明されています。多分多くの方が同じ思いを抱いていらっしゃると思います。とりわけ女性が定型というカップルの場合、前に「ジェンダー」の問題を少し考えてみたように、そういう状況に追い込まれてしまう圧力が確実にあると思える。あたかも母親が子どもを受容し、苦しみも一手に引き受け、自己犠牲の精神で子育てに取り組まなければならないと思われているように、アスペの夫を忍耐によって抱え込まなければならない、という構造に陥りやすい。

多分、カレンさんの夫婦関係では、幸いにしてそういう圧力が相対的に弱かったということがあって、それが背景的には幸いした部分もあるのではないかと勝手に想像します。ですから、その点ではもっとシビアな状況の中で解決を模索せざるを得ない方もありそうです。私の知っている範囲でも、古い嫁観念を持った農家などではそういう状況に追い込まれ易いように思います。

そういう問題はあるにせよ、それにしても別に宗教的な悟りに至るのでなくとも、俗の世界の中で、関係を「ギブアンドテイク」的なものに近づけていく道はあるのではないか。ということを、たとえばカレンさんの体験は示して下さっているように思えるし、またここでご紹介させていただいているいくつかのアスペルガー当事者の方達の試みなどを見ても、そう思えるのです。

もちろんそこに至る道も容易ではないでしょう。今は想像もつかないような壁がいくつもそこにあるのだろうと思います。ひとりひとりが抱えた状況も千差万別なわけですし。ただ、私個人はわずかずつでも、そのあたりについて、可能性を引き続き考えていきたいと、今の段階では思っています。

最後に、こういう議論は果たしてアスペルガーの方にはどう読まれるのか、ということは全くわかりませんし、こういうところでも交流が可能であればなあと思ったりします。

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コメント

パンダさん、こんばんは。
「別の通りすがり」こと、alonaと申します。

私は、配偶者の会「井戸端掲示板」しか、知らないので、
数日前に、パンダさんの書き込みを見て、こちらにお邪魔し、
パンダさんは、いったい、何者だろう・・・と疑問に思っていました。

配偶者、もしくは、パートナーの方が、アスペなのでしょうか?
それにしても、ここまで、毎日、分析して、ブログにアップする、って・・・

どういう方なのでしょう?
私が、昨夜、返信を書き込んだとき、こちらでは、(3)まで、アップされていました。
そして、朝になって、(6)まで、アップされていて、
おまけに、配偶者の井戸端掲示板にまで、コメントが、アップされていました・・・

謎は、深まるばかり・・・
既婚ですか?
職業は?
アスペとの関わりは?

私にとっては、謎ばかり・・・

でも、パンダさんの分析は、とても、興味深く、日参させていただいてます。

私に対する解析も、ほぼ、正しいですよ。

私は、定型の思うところの「ギブアンドテイク」は、存在しない、と思っていますが、
カレンさんのおっしゃるように、非定型のギブも、確かに存在します。
私には、それは、「ギブアンドテイク」では、ないのですが、
見解によっては、非定型からのギブといえば、そうなので、
100組いたら、100通りの「ギブアンドテイク」が存在する、と訂正させていただきます。

パンダさん愚痴っても、仕方のないことなのですが、
私は、心から、どこにも、ぶつけようのない怒りを感じています。

夫は、アスペの自覚がありません。
もちろん、私も、結婚するとき、アスペルガーなんて、全く、知らなかったし、
何か、障害を疑ったこともありませんでした。

ちょっと、人に理解されにくい、不器用な人・・・
という、印象に過ぎませんでした。

夫にしても、隠す、とか、だます、とか、毛頭なかったと思います。
でも、夫は、アスペルガー=自閉症スペクトラムの人だった・・・
本当に、大変な結婚生活だったのです。

私は、アスペの知識があったなら、きっと、結婚してなかったと思います。
夫にしても、自覚がなかったと思います。
でも、結果的に、私たちの結婚生活は、私の思い描いていた理想とは、
ほど、遠かった・・・アスペルガーのせいで・・・

この怒りの収まらない怒りは、どこに、ぶつけたら、いいのでしょう・・・

パンダさんの今後の解析に期待しています。

alonaさん

コメントどうもありがとうございました。
とっても久しぶりにいただいたコメントで、
第1号のアスペの随随さんに続く第2号です!

「一体お前は何ものか?」というお尋ねですけれど、
可愛くもないできそこないの「パンダ」です。
個人的な経験についてはこれまでもちょっとずつ書きましたが、
これからもまた書いていくことになると思います。
特にパートナーの方が「アスペルガー」という認識があるかどうかは
とっても大きな問題だなあと以前からずっと思っていました。
そのあたりについて、次に書いてみたいと思います。

怒りをどこにぶつけるか?
難しいですね……
スポーツやってる人とか、ボールにぶつけてみたり、
相手を殴ったりぶん投げたり(ボクシングや柔道とか)
そういうのもあるのかもしれないけど……

ためると自分自身に怒りが向いてきて、自分をむしばんでいきますしね。
かといって八つ当たりも出来ないし。
そんな難しいことわかんないよ~ (T T)

うーん、この難問を私に投げかけられた怒りを
私はどこにぶつければいいんでしょう? (^ ^;)

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