2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

掲示板最近の話題

フォト

アスペルガーと定型を共に生きる

  • 東山伸夫・カレン・斎藤パンダ: アスペルガーと定型を共に生きる

« iroriaさんの例:「理解の共有」とジェンダー | トップページ | いい人って? »

2011年1月20日 (木)

カップルの解消と持続を分けるもの

 iroriaさんのその後のブログを、現時点での最終ページ(2010.11.12)まで拝見しました。昨日書いたのとはまた少し違う意味で圧倒される展開でした。

 どういう言葉で表現したらよいのか、迷いを感じるのですが……

 まずひとつ感じたことは、高機能自閉と診断された娘さんとの関係と、ASと思われる(ある医者は結婚して仕事をしている人はASではない、と15分足らずの診断で断言されたそうですが、そういうおろかな「専門家」の話は無視することとして)夫との関係の、ある意味で鮮やかな対比です。

 ASと高機能自閉(HA)とは明確に違うものだとiroriaさんは主張されていて、その点については私は現時点で何も明確な根拠ある判断できませんが、いずれにせよ両者は少なくとも苦手なポイントや有効な対処の工夫などについて、とても共通性が高いということはiroriaさんも否定されないでしょう。

 その娘さんに対して、ほんとに様々な工夫を独自にされて、拝見していて思わず声を出して唸りたくなるような素晴らしい子育てを続けてこられた。そして実際に娘さんはとても大事な力をひとつひとつ蓄えて育っていっているように感じられます。生まれた後の育ち方で左右される二次障害の危険性と言うことを考えても、それに陥らないための理想的な接し方をされたように感じるし、そこで書かれている工夫の数々は、沢山の方に大きな参考になると思えます。

 そこではiroriaさんの「献身」は余すことなく実を結んでいると言える。昨日のブログで少しご紹介した「翻訳」への模索も、確実に娘さんとの関係作りには背景として役立っていると思えます。

 けれども、夫との関係ではその「献身」は結局実を結ぶことなく、ただ裏切られ続け、iroriaさんの心身をむしばみ続ける形になってしまったようです。ブログで拝見する限りは、iroriaさんの夫は結婚後、ただの一度としてまともにiroriaさんに向き合おうとすることは無かったように見えます。

 それはカレンさんの夫とは本当に違うと感じました。カレンさんの夫は人生で出会った最強の、最も手強い相手として、アスペルガー的ではあるかもしれないけれども、一生懸命カレンさんに向き合おうとされたことを感じます。その感じはiroriaさんの夫には全くと言っていいほど感じられない。ASの人なりの誠実さ、といったものが見えてこないのです。

 そういう状況の中では、iroriaさんの「翻訳」への努力も、どうにも力を発揮することは出来ませんでした。iroriaさんが不可欠と考えてこられた「アスペルガーと定型とのズレ」という共通認識は、とうとう成立しなかったのです。

 ちょうど「配偶者の会」の掲示板の方で、KSさんがカップルの関係を解消すべきかどうかを判断するときの、KSさんの基準のようなものを書いていらっしゃいました(No.3541 - 2011/01/18)。それはKSさんの長い葛藤の後にたどり着いた答えなのだろうと思いますが、私には多くの人に共有されうる判断基準なのではないかと感じられます。

 まずこれは大事だと思ったこと、それは関係を続けるか否かの判断は、相手がASであるかどうか、障がいがあるかどうかの問題ではなく、「障がいの先にある人間性」の問題だと書かれていることです。定型にもいろんな人があり、伴侶としての選択に失敗もあるように、ASにもいろんな人があり、愛せるかどうかはその相手との相性によるわけです。問題は「障がい」ではなく、「その先にある人間性」なんだということ。

 次に、仮にその人間性に於いて自分が愛せる人、求める人であったとしても、ASという特性から来るコミュニケーションの困難さが無くなるわけではない。そこは定型のカップルとは違う努力がお互いに求められるところになります。だからそういう困難を乗り越えて努力したいと感じさせる「何か」(KSさんの言葉)がお互いに必要でしょう。これも広く言えば上の「人間性」につながるのかも知れませんが。

 そしてこれも当然と思えるのですが、その人がその人の個性として持っている「素質」や「資質」、性格といったもの、それを無視しての判断は意味がないと言うことです。それらは努力である程度の範囲なら調整できるものですが、その可能性の範囲には自ずと限界がある。その限界を含めて他の誰でもない「この自分」なのですから、他の人がこなすことを自分はどうやってもこなせないこともあるし、その逆もある。そういう自分の限界を甘受し、卑下することなく、そこから出発することの必要をKSさんは書かれる。全く同感です。

 そして最後に、ぎりぎりの判断基準として「自分が壊れないこと」。、それはある意味で絶対的な基準のように思いました。何が自分を壊すのか、それは人によってみんな違うだろうから、ある人には問題ないことでも別の人には深刻な問題であることもあるでしょう。けれどもそれは絶対にその人に能力のあるかどうかといった問題ではないと思います。

 それはあくまで個性の問題なのです。つまりその人その人が歩んできた人生や、持って生まれた性格や、それから周囲の状況、そういう「その人だけに与えられ、その人だけが持っている個性的な状況」によって決まるものであって、一般的に良いとか悪いとか、優れているとか劣っているとか言えるものではない。何がその「自分」を破壊するかは、その人の「自分」がどのように成り立ち、何に支えられているのか、によってそれぞれ千差万別なのだと私は思います。と同時に、それは「自分が壊れてしまうかどうか」という形で抽象的に表現すれば、多くの人に共有可能な基準なのだろうと思えるのです。

 iroriaさんの場合は、KSさんが書かれたそういう判断基準から見ても、ある意味で当然にカップルを解消する方がよいという判断に傾く状況に置かれ、その上でその方向で当然の判断されようとしているのだと、私には見えました。

« iroriaさんの例:「理解の共有」とジェンダー | トップページ | いい人って? »

コメント

>関係を続けるか否かの判断は、相手がASであるかどうか、障がいがあるかどうかの問題ではなく、「障がいの先にある人間性」の問題~そしてこれも当然と思えるのですが、その人がその人の個性として持っている「素質」や「資質」、性格といったもの、それを無視しての判断は意味がないと言うことです。

配偶者の会の掲示板でサクラさんへの返信の中でも触れましたが、KSさんからご紹介いただいたAston博士の本によると、ASというものによって、その人が元々持っている「素質」「資質」「性格」といったものの特徴が、より大きく出てくるそうです。

この部分は、ASの人の思考パターンを理解できたことと同じくらい、私にとって意味がありました。自分の夫のことを、あらためて、「あー、いい人なんだ」と思うことができたから
です。

AS・定型・国籍・障害の有無・年齢等々の枠を超えて、合う人は合う、合わない人は合わない・・・本当にそう思います。

人間性って?人間って?・・・と、夫のこと・夫との関係を考えることを通して、いろいろ考える機会を与えられてきたことにも感謝です。

(「生涯のパートナー」ということに限定しなければ、すべての人の中に自分の姿を見、自分の中にすべての人の姿を見るので、みんな愛しいと感じられるのですが・・・これについて語ると長くなるので、ここではこれで終わります。)

> Aston博士の本によると、ASというものによって、その人が元々持っている「素質」「資質」「性格」といったものの特徴が、より大きく出てくるそうです。

ああ、なるほど。ASの人ってある意味素直で、定型みたいに「飾る」っていうこととか「誤魔化す」ということが得意じゃないわけですよね。ということは、素直に持っているものがそのまま現れると言うことなのかも。

> 自分の夫のことを、あらためて、「あー、いい人なんだ」と思うことができたから

どうも、ごちそうさまでした (^ ^)

> (「生涯のパートナー」ということに限定しなければ、すべての人の中に自分の姿を見、自分の中にすべての人の姿を見るので、みんな愛しいと感じられるのですが・・・これについて語ると長くなるので、ここではこれで終わります。)

もったいないからいろいろ終わりにされないで、ご夫婦での対話ブログとか始められたらすごいんじゃないでしょうか?多分そんなのどこにもないでしょう?画期的だと思う。アスペルガーについての見方も、対話可能性についての見方も、全然変わるんじゃないかな。

〉パンダさん カレンさん

またあちらの掲示板で、ややこしやのみみさんが…
多分、この寒さのせいで、頭がカチンコチンになっていると思われます

今日は幾分、暖かいような感じもするので、いくらかカチンコチンも溶け始めてきたようです…

どうか、温かいココアでも持ってって、頭からかけてやって下さい。

聖母み○さま

 とりあえずあったかそうな(または熱そうな)ものを集めてみました。
 効果があると良いですが。

cafespaflairbombimpactjapaneseteabottlenoodlefastfoodrunsuncafespaflairbombimpactjapaneseteabottlenoodlefastfoodrunsun

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1449293/38535348

この記事へのトラックバック一覧です: カップルの解消と持続を分けるもの:

« iroriaさんの例:「理解の共有」とジェンダー | トップページ | いい人って? »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ